2019年9月試験

FP2級 学科試験 2019年9月 問36(過去問解説)

四択問題

分野:タックス

所得税における住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載されたもの以外の要件はすべて満たしているものとする。

  1. 納税者のその年分の合計所得金額が3,000万円を超える年については、住宅ローン控除の適用を受けることができない。
  2. 新居を購入して居住の用に供した年に、これまで住んでいた自宅を譲渡して「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」の適用を受けた場合、新居について住宅ローン控除の適用を受けることができない。
  3. 住宅用家屋とともにその敷地である土地を取得した場合には、その土地の取得にかかる借入金額は、住宅ローン控除の対象となる借入金額に含めることができない。
  4. 住宅ローン控除の適用を受けていた者が、住宅ローンの一部繰上げ返済を行い、借入金の償還期間が当初の借入れの最初の償還月から10年未満となった場合、残りの控除期間について、住宅ローン控除の適用を受けることができない。



解答

3

解説

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は税額控除の一種で、住宅ローンを利用して住宅を購入したり増改築した場合に、住宅ローンの年末残高に一定率を乗じた分だけ税金が安くなる制度です。適用を受けるためには以下の4つの条件を満たす必要があります。

  • 返済期間が10年以上の住宅ローンであること
  • 控除の適用を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
  • 住宅の床面積が50㎡以上で、床面積の半分(2分の1)以上の部分が自己の居住用であること
  • 取得日から6か月以内に住み始め、控除の適用を受ける各年の年末まで引き続き住み続けていること

1.は適切。一度、合計所得金額が3,000万円を超えたとしても、翌年以降に3,000万円以下になった場合には住宅ローン控除の適用を受けることができます。

2.は適切。入居した年・その前年・その前々年に「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」の適用を受けた場合には、新居について住宅ローン控除の適用を受けることができません。

3.は不適切。住宅用家屋とともにその敷地である土地を取得した場合、その土地の取得にかかる借入金額は、住宅ローン控除の対象となる借入金額に含めることができます。

なお、土地のみを取得した場合は、住宅ローン控除の対象となる借入金額に含めることができません。

4.は適切。住宅ローンの一部繰上げ返済により返済期間が10年未満になった場合、「返済期間が10年以上」という適用要件を満たさなくなってしまうため、残りの期間について、住宅ローン控除の適用を受けることはできません。

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