2022年1月試験

FP2級 学科試験 2022年1月 問27(過去問解説)

四択問題

分野:金融

ポートフォリオ理論の一般的な考え方等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. アセットアロケーションとは、リスクとリターンを勘案しながら、投資資金を複数の資産クラス(株式、債券、不動産等)に配分することである。
  2. アセットアロケーションは、投資家それぞれの資産状況や年齢、運用目的によって、定期的に見直すことが重要である。
  3. ポートフォリオのリスクは、組入れ銘柄数を増やすことで減少していくが、組入れ銘柄数が一定水準以上になると、銘柄数を増やしてもリスクが減少しにくくなる。
  4. ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を単純平均した値となる。



解答

4

解説

1.と2.は適切。適切なアセットアロケーション(資産配分)は、資産状況・投資目的・リスク許容度・年齢などによって異なるため、絶対的に正しい組み合わせはありません。また、定期的に見直す必要があります。

3.は適切。投資のリスクは「システマティック・リスク」と「アンシステマティック・リスク」に分類することができます。

  • システマティック・リスク→市場全体に起因するリスク→分散投資しても低減不可能
  • アンシステマティック・リスク→個々の企業に起因するリスク→分散投資により低減可能

アンシステマティック・リスクは個々の企業に起因するリスクのため、組入れ銘柄数を増やすことにより低減することができますが、その効果は銘柄数が増えるに連れて徐々に小さくなっていきます。

例えば、組入れ銘柄数を「1から10に増やした場合」と「10,001から10,010に増やした場合」を比べると、増加した銘柄数は同じですが、前者のほうがリスク低減の効果が大きいことは感覚的にお分かりいただけると思います。

よって、ポートフォリオのリスクは、組入れ銘柄数を増やすことで減少していきますが、組入れ銘柄数が一定水準以上になると、銘柄数を増やしてもリスクが減少しにくくなります。

4.は不適切。ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を加重平均した値になります。

例えば、A資産の期待収益率が2%、B資産の期待収益率が3%の場合、A資産を40%、B資産を60%の割合で組み入れたポートフォリオの期待収益率は2.6%(=2%×0.4+3%×0.6)になります。

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