2020年9月試験

FP2級 学科試験 2020年9月 問24(過去問解説)

四択問題

分野:金融

株式指標の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. PER(倍)は、「株価÷1株当たり当期純利益」の算式により計算され、この値が高い銘柄は割高と考えられる。
  2. PBR(倍)は、「株価÷1株当たり純資産」の算式により計算され、この値が高い銘柄は割高と考えられる。
  3. 配当性向(%)は、「配当金総額÷当期純利益×100」の算式により計算され、この値が高いほど株主への利益還元率が高いと考えられる。
  4. 配当利回り(%)は、「配当金総額÷純資産×100」の算式により計算され、この値が高いほど投資価値が高いと考えられる。



解答

4

解説

1.は適切。株価収益率(PER)は、株価が1株あたり当期純利益(EPS)の何倍になっているかを表す指標です。この数字が大きいほど割高、小さいほど割安と判断されます。

株価収益率(倍)=株価÷1株あたり純利益

2.は適切。株価純資産倍率(PBR)は、株価が1株あたり純資産の何倍であるかを示す投資指標です。この数字が大きほど割高、小さいほど割安と判断されます。

株価純資産倍率(倍)=株価÷1株あたり純資産

3.は適切。配当性向は、当期純利益に対する配当金総額の割合を示す指標です。この数字が高いほど、株主への利益の還元率が高いことを示します。

配当性向(%)=配当金総額÷当期純利益×100

4.は不適切。配当利回りは、株価に対する1株あたり配当金の割合を示す指標です。この数字が高いほど、投資価値が高いことを示します。

配当利回り(%)=1株あたり配当金÷株価×100

なお、「配当金総額÷純資産×100」の算式により計算されるのは、純資産配当率(DOE)です。この算式は配当性向(配当金総額÷当期純利益)×自己資本利益率(当期純利益÷純資産)に分解することもできます。

純資産配当率(%)=配当金総額÷純資産×100

純資産配当率(%)=配当性向×自己資本利益率×100

よって、純資産配当率(DOE)が高いということは配当性向か自己資本利益率、もしくはその両方が高いことを意味するため、この値が高いほど投資価値が高いと考えられます。

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