四択問題
分野:ライフ
公的年金の障害給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 障害基礎年金および障害厚生年金における障害認定日とは、原則として、障害の原因となった傷病の初診日から1年を経過した日である。
- 国民年金の被保険者ではない20歳前の期間に初診日のある傷病を原因とする障害については、20歳以後の障害の状態の程度にかかわらず、障害基礎年金は支給されない。
- 障害厚生年金の受給権を取得した者が、その者によって生計を維持されている65歳未満の配偶者を有する場合、受給権者の障害の状態の程度にかかわらず、障害厚生年金に加給年金額が加算される。
- 障害厚生年金の額について、当該障害厚生年金の支給事由となった障害に係る障害認定日の属する月後における厚生年金保険の被保険者であった期間は、その計算の基礎とされない。
解答
4
解説
本問は、病気やケガで日常生活や労働に支障が出た場合に支給される「公的年金の障害給付(障害基礎年金・障害厚生年金)」の支給要件や年金額の計算方法を問う問題です。
- ✕(不適切):「初診日から1年を経過した日」という点が誤りです。正しくは「初診日から1年6か月を経過した日」です。
障害の程度を判定する基準日である「障害認定日」は、原則として、その障害の原因となった病気やケガで初めて医師の診療を受けた日から1年6か月を経過した日と定められています。 - ✕(不適切):「20歳以後の障害の状態の程度にかかわらず、障害基礎年金は支給されない」という点が誤りです。正しくは「20歳以後の障害の状態の程度に応じて、障害基礎年金が支給される」です。
国民年金に加入する前の「20歳前の期間」に初診日がある傷病であっても、20歳に達した日(または障害認定日)において障害等級1級または2級の状態であれば、障害基礎年金を受給することができます。ただし、本人が保険料を負担していない期間の事故等に対する給付であるため、受給者本人の所得が一定額を超えると支給が全額または半額停止されるという所得制限が設けられています。
なお、20歳以後の期間に初診日および障害認定日がある場合には所得制限はありません。また、障害厚生年金にもこのような所得制限はありません。 - ✕(不適切):「受給権者の障害の状態の程度にかかわらず」という点が誤りです。正しくは「受給権者の障害等級が1級または2級である場合に限り」です。
障害厚生年金の受給者に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合、年金額に加給年金額が加算されますが、この要件は受給者本人が障害等級1級または2級に該当する場合に限られます。障害等級が3級の障害厚生年金には、配偶者の加給年金額は加算されません。また、障害基礎年金には、配偶者加給年金の制度自体がありません。 - 〇(適切):記述の通りです。障害厚生年金の年金額を計算するさい、そのベースとなる厚生年金の被保険者期間は「障害認定日の属する月まで」となります。したがって、障害認定日の属する月の翌月以降に厚生年金に加入して働き続けた期間があったとしても、その期間はすでに支給が決定している障害厚生年金の金額計算に追加で反映されることはありません(※働き続けた期間は将来の老齢厚生年金等の計算に反映されます)。
FP2級の学科試験では、障害基礎年金と障害厚生年金の額が問われるケースもあります。
障害基礎年金に関しては、障害等級1級の障害基礎年金の額は「障害等級2級の障害基礎年金の額の100分の125(1.25倍)に相当する額+子の加算額」になることを押さえておきましょう。
令和8年4月分からの障害基礎年金の年金額
- 障害基礎年金の障害等級1級:847,300円×1.25+子の加算
- 障害基礎年金の障害等級2級:847,300円+子の加算
障害厚生年金も同様です。障害等級1級の障害厚生年金の額は「障害等級2級の障害厚生年金の額の100分の125(1.25倍)に相当する額+配偶者加給年金額」になることを押さえておきましょう。
障害厚生年金の年金額
- 障害厚生年金の障害等級1級:報酬比例部分の年金額×1.25+配偶者加給年金額
- 障害厚生年金の障害等級2級:報酬比例部分の年金額+配偶者加給年金額
- 障害厚生年金の障害等級3級:報酬比例部分の年金額
なお、障害厚生年金のベースとなる「報酬比例部分の年金額」を計算するさいに、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が300月に満たない場合、300月として計算します。この「300月」もよく問われるので、本問とあわせて押さえておきましょう。
田口先生
肢②の「20歳前傷病による障害基礎年金」にのみ本人の所得制限が設けられている理由は、一般の障害基礎年金との性質の違いによります。一般の障害基礎年金は、本人が過去に国民年金保険料を納付していた実績を満たすことで支給される保険給付であるため、受給後にどれだけ高所得になっても年金は全額支給されます。
一方で、20歳前傷病は保険料を納付する義務が生じる前に発生した事象に対する福祉的な救済措置(※全額が国庫負担)であるため、本人に十分な収入がある場合は支給を停止し、より経済的支援が必要な人へ財源を優先的に振り向けるという目的から、特例として所得制限が設けられています。
一方で、20歳前傷病は保険料を納付する義務が生じる前に発生した事象に対する福祉的な救済措置(※全額が国庫負担)であるため、本人に十分な収入がある場合は支給を停止し、より経済的支援が必要な人へ財源を優先的に振り向けるという目的から、特例として所得制限が設けられています。
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