四択問題
分野:金融
内閣府が公表する景気動向指数等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 景気動向指数は、景気の現状把握および将来予測に資するために作成された指標であり、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)がある。
- 景気動向指数に採用されている系列は、おおむね景気の1つの山または谷が経過するごとに見直しが行われている。
- 経済成長率は、国内総生産(GDP)がどれだけ変化したかを数値で表したものであり、内閣府が四半期および年次のデータを公表している。
- 経済成長率には名目値と実質値があり、物価が持続的に低下する状態(デフレーション)にある場合、一般に、実質値が名目値を下回る。
解答
4
解説
本問は、内閣府が公表する景気動向指数や国内総生産に基づく経済成長率など、マクロ経済の動向を把握するための代表的な経済指標に関する知識を問う問題です。
- 〇(適切):記述の通りです。景気動向指数は、生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感な指標の動きを統合することによって、景気の現状把握および将来予測に資するために作成された指標です。指数の算出方法には、景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定するコンポジット・インデックス(CI)と、景気の波及の度合い(波及度)を測定するディフュージョン・インデックス(DI)の2種類が存在します。
- 〇(適切):記述の通りです。景気動向指数を構成する個別指標(採用系列)は、経済構造の変化などに伴って景気との連動性が変化するため、定期的な実態とのすり合わせが必要です。内閣府の運用では、おおむね景気の1つのサイクル(山または谷が経過するごと)を基準として、採用系列の入れ替えや基準年の改定などの見直しが実施されています。
- 〇(適切):記述の通りです。経済成長率とは、一定期間における国内総生産(GDP)の増加率を示す数値であり、国の経済規模の拡大や縮小を測る最も代表的な指標です。日本では内閣府が推計を行い、四半期ごとの速報値や改定値、および年次の確報値として定期的にデータを公表しています。
- ✕(不適切):「一般に、実質値が名目値を下回る」という点が誤りです。正しくは「一般に、実質値が名目値を上回る」です。
名目経済成長率はその時々の市場価格で評価した数値であり、実質経済成長率はそこから物価変動の影響を取り除いた数値です。物価が持続的に低下するデフレーションの局面では、物価下落分がプラス要因として反映されるため、実質値のほうが名目値よりも大きくなります。
肢①の補足
かつての景気動向指数は、対象指標のうち改善している指標の割合を示すDIを中心として公表されていました。しかし、景気変動の大きさを把握したいというニーズが高まったことから、現在では指標の増減率を合成して算出するCIを主系列として公表し、DIは波及度を示すための補助的な指標として位置づけられています。
肢④の補足
実質値は「名目値÷物価指数」で算出されます。デフレーションの局面では物価指数が基準時点よりも下落するため、物価指数(分母)が1未満の数値となります。名目値を1未満の数値で割ることになるため、計算結果である実質値は元の名目値を上回ることになります。
田口先生
景気動向指数に採用されている指標は、先行指数(景気に対して先行して動くもの)が11系列、一致指数(景気に対してほぼ一致して動くもの)が10系列、遅行指数(景気に対して遅れて動くもの)が9系列の合計30系列となっています。本問とあわせて、3つの指数・30の系列で構成されていることを押さえておきましょう。
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