四択問題
分野:リスク
保険法および保険業法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 生命保険契約および損害保険契約は保険法の適用対象となるが、共済契約は、その保障内容にかかわらず、保険法の適用対象とならない。
- 保険金の支払時期に関して、保険法の規定よりも保険金受取人にとって不利な内容である保険約款の定めは無効となる。
- 保険業法によれば、保険期間が1年以内の保険契約の申込みをした者は、申込みをした日から8日以内であれば、書面または電磁的記録によりその保険契約の申込みの撤回等をすることができるとされている。
- 保険会社の経営の健全性を示すソルベンシー・マージン比率が300%を下回った場合、監督当局による業務改善命令などの早期是正措置の対象となる。
解答
2
解説
本問は、保険契約の基本的なルールを定めた「保険法」と、保険会社の健全な運営や募集等のルールを定めた「保険業法」に関する基本的な知識を問う問題です。
- ✕(不適切):「共済契約は、その保障内容にかかわらず、保険法の適用対象とならない」という点が誤りです。正しくは「共済契約であっても、実質的に保険と同様の性質を有するものは保険法の適用対象となる」です。
保険法は、契約の名称が「保険」であるか「共済」であるかを問わず、一定の偶然の事故によって生じる損害を補填することを約束し、金銭を収受する実態のある契約を広く規律の対象としています。そのため、JA共済やこくみん共済などの共済契約にも保険法が適用されます。 - 〇(適切):記述の通りです。保険法は、保険会社に対して圧倒的に交渉力の弱い保険契約者や保険金受取人を保護するため、「片面的強行規定」というルールを多く採用しています。
保険金の支払時期などに関する規定について、保険法で定められたルールよりも契約者や受取人にとって不利な内容の約款を定めた場合、その部分は法的に無効になります。なお、契約者側に有利な内容に変更した場合はそのまま有効になります。 - ✕(不適切):「保険期間が1年以内の保険契約の申込みをした者は、申込みをした日から8日以内であれば、書面または電磁的記録によりその保険契約の申込みの撤回等をすることができる」という点が誤りです。正しくは「保険期間が1年以下の保険契約は、クーリング・オフの対象外である」です。
クーリング・オフ制度は、長期間にわたって保険料の支払い義務が生じる契約に対して、冷静に考える機会を与えることを目的としています。そのため、旅行傷害保険などのように保険期間が1年以下の短期の保険契約については、クーリング・オフの対象から除外されています。 - ✕(不適切):「ソルベンシー・マージン比率が300%を下回った場合」という点が誤りです。正しくは「ソルベンシー・マージン比率が200%を下回った場合」です。
ソルベンシー・マージン比率は、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えるリスクに対する保険会社の支払余力を示す指標です。健全性の目安となる基準値は200%と定められており、この数値を下回った場合には、監督当局(金融庁)による業務改善命令などの早期是正措置が発動されます。
田口先生
民法における契約のルールは、当事者間の合意によって法律と異なる内容を定めることができる任意規定が中心です。しかし、保険契約においては、保険会社があらかじめ作成した約款に契約者が同意する形式をとるため、当事者間の対等な交渉が困難です。
そのため、保険法では「契約者に不利な特約は無効とする」という一方向の強制力を持つ片面的強行規定を設けることで、保険会社が一方的に自己に有利な約款を作成することを制限し、当事者間の力の不均衡を是正しています。
そのため、保険法では「契約者に不利な特約は無効とする」という一方向の強制力を持つ片面的強行規定を設けることで、保険会社が一方的に自己に有利な約款を作成することを制限し、当事者間の力の不均衡を是正しています。
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