四択問題
分野:リスク
損害保険の税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、いずれも契約者(=保険料負担者)および被保険者は個人であるものとする。
- 契約者と被保険者が同一人である普通傷害保険において、ケガの治療のために入院した被保険者が受け取った入院保険金は、一時所得として所得税の課税対象となる。
- 保険期間10年の積立傷害保険において、契約者が受け取った満期返戻金は、一時所得として所得税の課税対象となる。
- 被保険自動車を運転中に誤って電柱に衝突し、契約者が受け取った自動車保険の車両保険の保険金は、当該車両の修理をしない場合、一時所得として所得税の課税対象となる。
- 自宅建物が火災で焼失したことにより、契約者が受け取った火災保険の保険金は、保険金の額が当該建物の時価額よりも多い場合、一時所得として所得税の課税対象となる。
解答
2
解説
本問は、個人が契約する損害保険に関して、受け取る保険金や満期返戻金にどのような税金が課されるかを問う問題です。
- ✕(不適切):「一時所得として所得税の課税対象となる」という点が誤りです。正しくは「非課税になる」です。
普通傷害保険において、ケガの治療を目的として受け取る入院保険金や手術保険金、通院保険金は、被保険者が被った身体的な損失や治療の実費を補てんする(=マイナスをゼロに戻す)ものです。そのため、受け取った金額にかかわらず非課税として扱われます。 - 〇(適切):記述の通りです。積立型の損害保険において、契約者(=保険料負担者)が満期時に受け取る満期返戻金は、原則として所得税(一時所得)の課税対象になります。
なお、保険期間が5年以下の契約など一定の要件を満たす場合は、金融類似商品として源泉分離課税となりますが、本肢のように保険期間が10年の場合は金融類似商品に該当しないため、原則どおり一時所得として課税されます。 - ✕(不適切):「一時所得として所得税の課税対象となる」という点が誤りです。正しくは「非課税になる」です。
自動車事故によって車両が破損した際に受け取る車両保険の保険金は、財産に生じたマイナスをゼロに戻すための損害補てん金であるため、全額が非課税になります。この非課税の取り扱いは、受け取った保険金で実際に車両の修理を行ったかどうかにかかわらず適用されます。 - ✕(不適切):「一時所得として所得税の課税対象となる」という点が誤りです。正しくは「非課税になる」です。
火災保険の保険金は、焼失した家屋などの財産的損失を補てんする(=マイナスをゼロに戻す)ためのものであるため、原則として非課税になります。
昨今の火災保険では、同等の建物を再築・再購入するために必要な金額を基準に保険金が支払われるのが一般的です。そのため、受け取る保険金の額が建物の現在の時価額を上回るケースもありますが、その場合であっても損害の補てんという性質に変わりはないため、全額が非課税として扱われます。
肢①③④の補足
所得税法上、不慮の事故や疾病等を原因として受け取る、身体の傷害に起因する給付金等は非課税と規定されています。これは、損害保険の傷害保険金だけでなく、生命保険の医療保険やがん保険等から支払われる入院給付金等にも共通して適用されるルールです。どちらもマイナスになった身体的・経済的状態を補てんする資金であるという事実関係が、税務上の非課税の根拠となっています。
肢②の補足
保険期間が5年以下の一時払積立損害保険などは、短期間で利息に相当する利益を得る目的が強いため、銀行の定期預金と同じ性質を持つ金融類似商品とみなされ、利益部分に20.315%の源泉分離課税が適用されます。一方で、保険期間が長期にわたる積立保険は、万が一への備えとしての性質が維持されていると判断されるため、一時所得として総合課税の枠組みで計算されます。この保険期間による区別は、生命保険の養老保険等における金融類似商品の判定と同様の基準に基づいています。
田口先生
上述のとおり、不慮の事故や疾病等を原因として受け取る身体の傷害に起因する保険金・給付金は、損失を補てんするためのものであるため、原則として非課税になります。
ただし、同一のケガや病気で支払った医療費がある場合は、その金額から受け取った保険金・給付金を差し引いて医療費控除の額を計算する必要があります。
ただし、同一のケガや病気で支払った医療費がある場合は、その金額から受け取った保険金・給付金を差し引いて医療費控除の額を計算する必要があります。
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