2026年5月公表分

【試験問題解説】FP2級 学科試験 2026年5月公表 問13(総合福祉団体定期保険)

四択問題

分野:リスク

総合福祉団体定期保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 総合福祉団体定期保険の契約締結の際には、被保険者になることについて加入予定者の同意および保険約款に基づく告知は不要である。
  2. 総合福祉団体定期保険の保険期間は、1年から5年の範囲内で、被保険者ごとに設定することができる。
  3. 総合福祉団体定期保険において、契約者(=保険料負担者)である法人が負担した保険料は、その2分の1相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。
  4. 総合福祉団体定期保険にヒューマン・ヴァリュー特約を付加する場合、当該特約の死亡保険金受取人は契約者(=保険料負担者)となる。



解答

4

解説

本問は、企業が従業員の遺族保障などを目的として加入する「総合福祉団体定期保険」の一般的な商品性や経理処理に関する問題です。

  1. ✕(不適切):「被保険者になることについて加入予定者の同意および保険約款に基づく告知は不要である」という点が誤りです。正しくは「被保険者になることについて加入予定者の同意および保険約款に基づく告知が必要である」です。
    総合福祉団体定期保険は、法人が一括して契約する団体保険ですが、被保険者となるのは従業員等の個人です。そのため、契約にあたっては従業員本人の同意が必要です。また、加入時には過去の病歴や現在の健康状態等について、所定の書面等による告知を行う義務があります
  2. ✕(不適切):「1年から5年の範囲内で、被保険者ごとに設定することができる」という点が誤りです。正しくは「1年であり、被保険者ごとに異なる期間を設定することはできない」です。
    総合福祉団体定期保険の保険期間は1年間に限定されています。企業という団体を対象とする保険であるため、毎年発生する従業員の入社や退職に合わせて契約内容や保険料を定期的に見直す実務上の必要性があることから、1年ごとの自動更新という形式がとられています。
  3. ✕(不適切):「その2分の1相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる」という点が誤りです。正しくは「法人が負担した保険料は、原則として全額を損金の額に算入することができる」です。
    総合福祉団体定期保険は、役員および従業員が全員加入するなど一定の要件を満たすことで、主契約の死亡保険金受取人が従業員の遺族となります。この場合、法人が負担した保険料は福利厚生目的の支出とみなされるため、資産計上は行わず、全額を福利厚生費として損金の額に算入することが認められています。
  4. 〇(適切):記述の通りです。総合福祉団体定期保険に付加することができる「ヒューマン・ヴァリュー特約」は、役員や従業員が死亡したさいに企業が被る経済的損失(代替人員の採用・育成費用や、当面の利益の減少など)をカバーするための特約です。
    企業を経済的リスクから守ることを目的としているため、この特約に基づく死亡保険金の受取人は、遺族ではなく契約者である企業(法人)になります。

なお、総合福祉団体定期保険には、従業員全員が自動加入し会社が全額負担するAグループ保険(総合福祉団体定期保険)と、従業員が任意で追加加入し自身で保険料を負担するBグループ保険(団体定期保険)があります。

Aグループ保険の保険料は、会社の経費(損金)として処理されます。一方、Bグループ保険の保険料は従業員本人が負担するため、生命保険料控除の対象になります。

田口先生1
田口先生
保険契約において、契約者(法人)と被保険者(従業員)が異なる場合、被保険者の生命を対象とした不当な目的での契約締結を防ぐ必要があります。そのため、保険法により、他人の生命の保険契約を締結するさいは、必ず被保険者本人の同意を得ることが義務付けられています。福利厚生を目的とした団体保険であっても、従業員の保護を優先するため、この法的な同意要件が免除されることはありません。

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