四択問題
分野:リスク
生命保険および損害保険を活用した家庭のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 病気やケガで入院した場合の医療費の負担に備えるため、定期保険に加入した。
- 自分が死亡した後、子が社会人になるまでの生活資金を確保するため、収入保障保険に加入した。
- 同居の子が原動機付自転車で通学中に他人に接触してケガをさせ、法律上の損害賠償責任を負担する場合に備えて、自動車保険にファミリーバイク特約を付帯した。
- 同居の子が自転車で通学中に他人に接触してケガをさせ、法律上の損害賠償責任を負担する場合に備えて、火災保険の加入時に個人賠償責任補償特約を付帯した。
解答
1
解説
本問は、日常生活を取り巻く様々なリスクに対して、生命保険や損害保険の各商品をどのように組み合わせて備えるべきかという、家庭の総合的なリスク管理の実務知識を問う問題です。
- ✕(不適切):「定期保険に加入した」という点が誤りです。正しくは「医療保険に加入した」です。
定期保険は、あらかじめ定められた期間内に被保険者が死亡または高度障害状態となった場合に死亡保険金等が支払われる商品であり、被保険者の死亡リスクに備えるための保険です。病気やケガによる入院時の医療費負担に備えるためには、入院給付金や手術給付金が支払われる医療保険を選択する必要があります。 - 〇(適切):記述の通りです。収入保障保険は、被保険者が死亡した場合に、残された家族が満期まで毎月一定額の年金を受け取ることができる保険です。例えば、子が独立するまでの期間に合わせて保険期間を設定することで、年月の経過とともに減少していく必要保障額に合わせて合理的に生活資金を確保できるため、子育て世帯の死亡リスクへの備えとして有効な選択肢になります。
- 〇(適切):記述の通りです。ファミリーバイク特約は、自動車保険に付帯することで、記名被保険者やその同居の親族等が原動機付自転車(125cc以下の二輪車など)を運転中の事故による損害賠償責任等を補償する特約です。子が通学等で原動機付自転車を利用するさい、新たに単独のバイク保険に加入するよりも安価な保険料で賠償リスクをカバーできるため、適切なリスク管理手法といえます。
- 〇(適切):記述の通りです。個人賠償責任補償特約は、日常生活の中で他人の身体や財物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負う場合に補償される特約です。火災保険や自動車保険、傷害保険などの主契約に付帯することができ、記名被保険者だけでなく同居の親族等の自転車事故による高額な賠償責任にも対応できるため、自転車通学をする子がいる家庭において不可欠な補償として広く活用されています。
肢①の補足
生命保険は、給付の対象となる事実関係によって機能が分かれています。定期保険や終身保険は「被保険者の死亡」という事実に対して保険金を支払うことで、残された家族の経済的損失を補てんします。これに対し、医療保険は「入院や手術」という治療の事実に対して、実際にかかる費用や一時的な収入減少を補てんする機能を有しており、両者は備えるべきリスクの性質が明確に異なります。
肢③④の補足
個人賠償責任補償特約は、自転車の運転や買い物のさいの器物破損など「日常生活全般」の賠償責任を広くカバーしますが、原動機付自転車や自動車などの「車両の運転中」に起きた事故は免責事由として補償の対象外と規定されています。そのため、原動機付自転車の運転に伴うリスクに備えるためには、車両事故の賠償に特化したファミリーバイク特約を自動車保険に付帯するなど、対象となる乗り物の性質に応じた特約を個別に選択する必要があります。
田口先生
生命保険によるリスク管理では、必要保障額の推移をイメージすることが重要です。遺族の生活を守るための必要保障額は、「今後の生活費・教育費等の総額」から「遺族年金等の収入」を差し引いて計算されます。
仮に、子どもが独立するまで養育すると仮定した場合、養育期間が最も長く残されている「末子が誕生した時点」が、将来の支出見込み額のピークになります。そのため、必要保障額は末子誕生時を最大とし、子どもの成長とともに年々減少していきます。
この事実を踏まえると、子どもの成長後も一定の死亡保険金を維持し続けることは、保障の過剰や保険料の無駄につながります。だからこそ、時間の経過と必要保障額の減少に合わせて、受け取れる保険金総額が右肩下がりで減っていく収入保障保険は、合理的な選択のひとつと考えられています。
仮に、子どもが独立するまで養育すると仮定した場合、養育期間が最も長く残されている「末子が誕生した時点」が、将来の支出見込み額のピークになります。そのため、必要保障額は末子誕生時を最大とし、子どもの成長とともに年々減少していきます。
この事実を踏まえると、子どもの成長後も一定の死亡保険金を維持し続けることは、保障の過剰や保険料の無駄につながります。だからこそ、時間の経過と必要保障額の減少に合わせて、受け取れる保険金総額が右肩下がりで減っていく収入保障保険は、合理的な選択のひとつと考えられています。
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