2026年5月公表分

【試験問題解説】FP2級 学科試験 2026年5月公表 問28(シャープレシオ)

四択問題

分野:金融

下記の〈資料〉に基づくファンドAとファンドBの過去5年間の運用パフォーマンスの比較評価に関する次の記述の空欄(ア)(イ)にあてはまる語句または数値の組合せとして、最も適切なものはどれか。

問題資料

ファンドの運用パフォーマンスに係る評価指標の1つとして、シャープレシオがある。無リスク金利を全期間にわたり1.0%とし、〈資料〉の数値により、ファンドAのシャープレシオの値を算出すると( ア )となる。同様にファンドBのシャープレシオの値を算出したうえで、両ファンドの運用パフォーマンスをシャープレシオで比較した場合、過去5年間は( イ )のほうが効率的に運用されたと判断される。

  1. (ア)3.0 ・(イ)ファンドA
  2. (ア)3.4 ・(イ)ファンドA
  3. (ア)3.0 ・(イ)ファンドB
  4. (ア)3.4 ・(イ)ファンドB



解答

1

解説

  1. 〇(適切):記述の通りです。シャープレシオは、「(実績収益率-無リスク金利)÷標準偏差」という計算式で求められます。問題資料を使ってファンドAの数値を算出すると、(4.6%-1.0%)÷1.2%=3.0 になります。同様に、ファンドBのシャープレシオを算出すると、(11.0%-1.0%)÷4.0%=2.5になります。シャープレシオは数値が大きいほど「取ったリスクに対して効率的に収益を上げている」と評価されるため、3.0と2.5を比較して数値の大きいファンドAのほうが効率的に運用されたと判断されます。
  2. ✕(不適切):「(ア)3.4」という点が誤りです。
    3.4という数値は、分子の計算において実績収益率(4.6%)から標準偏差(1.2%)を誤って引き算してしまった場合などに生じる誤答パターンです。シャープレシオの分子は、ファンドの収益率から無リスク金利(1.0%)を差し引いた超過収益になります。
  3. ✕(不適切):「(イ)ファンドB」という点が誤りです。
    計算の結果、ファンドAのシャープレシオは3.0、ファンドBのシャープレシオは2.5になります。ファンドBは実績収益率(11.0%)自体はファンドA(4.6%)よりも高いですが、その分だけ標準偏差(4.0%)も大きく、リスクに見合った効率的な運用ができているかというシャープレシオの観点では、ファンドAに劣後すると判定されます。
  4. ✕(不適切):「(ア)3.4 ・(イ)ファンドB」という点が誤りです。
    ファンドAのシャープレシオの計算式を誤り、さらに「シャープレシオの数値が大きいファンドAのほうが効率的である」という比較評価の原則を逆に捉え、単に見た目の収益率が高いファンドBを選択してしまった場合の誤答パターンです。
シャープレシオの計算式の補足

肢②の解説にも少し書きましたが、シャープレシオの計算式の分子は、国債などの極めてリスクが低い資産に投資した場合の利回り(無リスク金利)を上回って獲得できた超過収益(リスクプレミアム)を示しています。これをリスクの大きさを示す分母(標準偏差)で割ることで、「リスク1単位あたりどれだけの超過収益を稼ぎ出したか」という客観的な効率性を測定することができます。

標準偏差の補足

シャープレシオの計算式の分母に出てくる「標準偏差」は、投資の世界におけるリスク(リターンのブレ幅)を数値化したものです。標準偏差の数値が大きいということは、平均的な収益率を中心として、実際の収益が上にも下にも大きくバラつく可能性が高いということを示しています。つまり、リターンを得るために高い不確実性を負担している状態を意味します。

田口先生1
田口先生
シャープレシオに関する問題はワンパターンなので、理屈を押さえたうえで「(実績収益率-無リスク金利)÷標準偏差」という計算式を暗記しておけば、あとは問題資料で与えられた数値を当てはめていくだけでサクッと解答できます。
「収益率が高い=良いファンド」という直感的な思い込みを捨てて、必ずリスク1単位あたりの効率性を割り算で算出して比較しましょう。

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