2026年5月公表分

【試験問題解説】FP2級 学科試験 2026年5月公表 問22(各種預金)

四択問題

分野:金融

銀行等の金融機関で取り扱う預金の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. デリバティブを組み込んだ仕組預金には、金融機関の判断によって満期日が繰り上がる商品がある。
  2. 総合口座において、紙の通帳の代わりにオンライン上で入出金の明細や残高を確認することができるサービスを提供しているのは、ネット専業銀行に限られる。
  3. 自動積立定期預金は、各指定日に普通預金口座からの口座振替等により、指定金額を預入することができる定期預金である。
  4. 直近10年以上、入出金等の取引のない普通預金は、休眠預金として預金保険機構に移管され、民間公益活動に活用される。



解答

2

解説

本問は、銀行等の金融機関が提供する多様な預金商品や、それに付随する各種サービス・制度に関する一般的な知識を問う問題です。

  1. 〇(適切):記述の通りです。仕組預金とは、通常の預金にオプション取引などのデリバティブ(金融派生商品)を組み込むことで、一般的な定期預金よりも相対的に高い金利に設定されている商品です。その一種として、市場金利の動向等に応じて、金融機関側の独自の判断で満期日が当初の予定よりも前倒し(繰り上げ)される特約が付いた商品が存在します。
  2. ✕(不適切):「ネット専業銀行に限られる」という点が誤りです。正しくは「ネット専業銀行に限らず、都市銀行や地方銀行などの一般的な金融機関でも提供されている」です。
    紙の通帳を発行せず、インターネットバンキングや専用アプリ等を通じてオンライン上で入出金明細や残高を確認できるサービス(Web通帳・デジタル通帳など)は、ペーパーレス化による環境配慮や、金融機関側の印紙税・管理コスト負担の軽減といったメリットがあるため、ネット専業銀行に限らず、実店舗を持つ金融機関においても広く提供が推進されています。
  3. 〇(適切):記述の通りです。自動積立定期預金は、あらかじめ顧客が指定した日(毎月の給料日など)に、指定した金額を普通預金口座から自動的に振り替えて定期預金として積み立てていく商品です。手動で預け替える手間が省けるため、給与振込口座と紐づけて確実な資産形成を行うための有効なツールとして広く活用されています。
  4. 〇(適切):記述の通りです。2018年施行の休眠預金等活用法に基づき、直近10年以上、入出金などの異動(取引)がない預金は、休眠預金と認定されます。この休眠預金は預金保険機構に移管された後、指定活用団体を通じて、子どもへの支援や地域活性化などの民間公益活動に活用される仕組みになっています。
肢①の補足

仕組預金は、デリバティブ取引を内包しているという商品の性質上、原則として預金者側からの自己都合による中途解約は認められていません。仮に、やむを得ない事情で金融機関側が特例として中途解約に応じた場合であっても、違約金の発生や解約時の市場環境に基づく再評価により、大きく元本割れを起こすリスクがあります。

肢④の補足

休眠預金として預金保険機構に移管され、民間公益活動の原資として活用されるようになった後であっても、預金者本人の財産としての法的な権利が完全に消滅するわけではありません。預金者本人が通帳や印鑑、本人確認書類等を金融機関の窓口に提示して所定の手続きを行えば、移管後であっても元本および移管前までの利息を引き出すことが可能です。

田口先生1
田口先生
本問では問われていませんが、「決済用預金」もよく出題されます。
決済用預金は、「無利息」「要求払い」「決済サービスを提供できること」という3つの条件を満たす預金であり、法人も個人も預け入れることができます。また、通常の預貯金とは異なり、決済用預金はその全額が預金保険制度の保護の対象になります。

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