2026年5月公表分

【試験問題解説】FP2級 学科試験 2026年5月公表 問33(総所得金額)

四択問題

分野:タックス

Aさんの各種所得の金額が下記のとおりであった場合の所得税における総所得金額として、最も適切なものはどれか。なお、▲が付された所得の金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。

Aさんの各種所得の金額
  • 不動産所得の金額:60万円
  • 事業所得の金額 :▲100万円(飲食店の経営により生じた損失の金額)
  • 一時所得の金額 :100万円(養老保険の満期保険金を受け取ったことによる所得の金額)
  1. 10万円
  2. 30万円
  3. 60万円
  4. 85万円



解答

2

解説

損益通算することができる損失は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4つです。

試験対策としては、4つの所得の頭文字を「不・事・山・譲(ふじさんじょう・富士山上)」という語呂で覚えるとともに、以下の例外をきちんと押さえておきましょう。

  • 不動産所得:土地を取得するさいに借り入れたお金の利子(※建物を取得するさいに借り入れたお金の利子は損益通算可能)
  • 譲渡所得:ヨット・別荘・貴金属・ゴルフ会員権など生活に必要でない贅沢品の譲渡によって生じた損失、土地・建物・株式などの譲渡損失(※一部例外あり)

本問は、以下の3ステップに分けて考えると分かりやすいです。

ステップ1:損益通算可能な損失かどうかを確認する

問題資料から、事業所得の損失100万円は「飲食店の経営により生じた損失の金額」で、上記の例外に該当しないため、他の所得と損益通算することが可能です。

ステップ2:損益通算して控除しきれない損失額を計算する

事業所得の損失(▲100万円)と不動産所得(60万円)を損益通算し、引ききれない損失額▲40万円(=60万円-100万円)を算定します。

ステップ2:控除しきれない損失額を他の所得と損益通算する

控除しきれない損失(▲40万円)を一時所得(100万円)と損益通算し、残額60万円(=100万円-40万円)を算定します。最後に、損益通算後の残額を2分の1して総所得金額30万円(=60万円×1/2)を求めます。

  1. ✕(不適切):「10万円」という金額は、一時所得の金額を先に2分の1にしてから事業所得の赤字と相殺してしまった場合の誤答パターンです(100万円×1/2=50万円、50万円-40万円=10万円)。総所得金額に算入するための2分の1の処理は、他の所得からの赤字を相殺した後の残額に対して行います。
  2. 〇(適切):上記の通りです。
  3. ✕(不適切):「60万円」という金額は、事業所得の損失と2つの所得を正しく損益通算したものの、最後の「一時所得の残額を2分の1にする」という処理を忘れてそのまま計上してしまった場合の誤答パターンです。一時所得は、労務の対価等ではなく一時的・偶発的な所得であるため、担税力に配慮して最終的な課税対象を半分にするというルールがあります。
  4. ✕(不適切):「85万円」という金額は、一時所得を総所得金額に算入するさいの「特別控除(最高50万円)」と「2分の1」の処理を混同し、さらに損益通算の順序を誤るなど、独自の誤った計算ルートを辿った場合に算出されるダミーの選択肢です。資料に記載されている「一時所得の金額:100万円」は、すでに総収入金額から支出金額や特別控除額を差し引いた後の金額である点に留意しましょう。
田口先生1
田口先生
総所得金額の計算において、最もミスを誘発しやすいのが一時所得の「2分の1」を行うタイミングです。まず、一時所得のグループ内で「総収入金額-支出金額-特別控除(最高50万円)」を計算し、一時所得の金額を算定します。その後、他の所得グループから引ききれなかった赤字があれば、この一時所得の金額から差し引きます。そして、赤字をすべて差し引いた後の最終的な残額に対して2分の1を乗じ、最終的な総所得金額を求めます。2分の1をするタイミングは「最後」です!

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