四択問題
分野:ライフ
企業年金等に係る税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 確定拠出年金の企業型年金において企業型年金加入者が拠出した掛金(マッチング拠出により拠出した掛金)は、所得税の小規模企業共済等掛金控除の対象となる。
- 中小企業退職金共済において事業主が支払った掛金は、被共済者である従業員の給与所得として所得税の課税対象となる。
- 小規模企業共済において個人事業主が支払った掛金は、事業所得の金額の計算上、必要経費となる。
- 確定拠出年金の個人型年金において個人型年金加入者が一括で受け取った老齢給付金は、一時所得として所得税の課税対象となる。
解答
1
解説
本問は、企業型および個人型の確定拠出年金、中小企業退職金共済、小規模企業共済といった各種企業年金・共済制度の税務上の取り扱いを問う問題です。
- 〇(適切):記述の通りです。企業型確定拠出年金において、企業が拠出する事業主掛金に上乗せして、従業員自身が掛金を拠出する制度をマッチング拠出といいます。このマッチング拠出により従業員本人が負担した掛金は、全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となるため、個人の所得税および住民税の負担を軽減することができます。
- ✕(不適切):「被共済者である従業員の給与所得として所得税の課税対象となる」という点が誤りです。正しくは「被共済者である従業員の給与所得とはならず、所得税の課税対象とはならない」です。
中小企業退職金共済(中退共)は、事業主が全額掛金を負担して従業員の退職金を外部で準備する制度です。事業主が支払った掛金は、法人の場合は損金、個人事業主の場合は必要経費に算入されます。この掛金は将来従業員が受け取る退職金の原資になりますが、事業主が掛金を支払った時点では従業員に直接金銭が支払われているわけではないため、従業員の給与として課税されることはありません。 - ✕(不適切):「事業所得の金額の計算上、必要経費となる」という点が誤りです。正しくは「所得税の計算上、小規模企業共済等掛金控除の対象となる」です。
小規模企業共済は、個人事業主や小規模企業の経営者が自身の退職金を準備するための制度です。この掛金は、事業の売上を得るために直接要した費用ではないため、事業所得の計算において必要経費に算入することはできません。その代わり、個人の所得税・住民税を計算するさい、全額が小規模企業共済等掛金控除として所得金額から差し引かれます。 - ✕(不適切):「一時所得として所得税の課税対象となる」という点が誤りです。正しくは「退職所得として所得税の課税対象となる」です。
確定拠出年金の老齢給付金を一時金として一括で受け取る場合、長期間にわたって形成された老後資金の清算という性質を持ちます。そのため、課税対象額の計算において、一時所得ではなく、より税引後の手取額が多くなるよう優遇された退職所得として扱われます。なお、一時金ではなく年金形式で受け取る場合は雑所得(公的年金等)の扱いになります。
肢③で問われている「個人事業主の必要経費」とは、商品の仕入れ代や従業員の給与など、事業の収入を得るために直接要した費用のことであり、事業所得の金額を算出する段階で収入から差し引かれます。
一方、所得控除は、事業活動とは無関係に個人の生活事情や政策的な配慮に基づいて、算出された所得金額からさらに差し引かれるものです。小規模企業共済の掛金は経営者個人の老後資金の積立であるため、事業の経費ではなく、個人の所得控除として処理されます。
田口先生
一時所得は、懸賞の賞金や生命保険の満期保険金など、労働の対価ではない一時的な収入に適用されます。これに対し、退職所得は長年の勤労や掛金拠出の集大成としての性質を持つため、退職所得控除という勤続年数に応じた大きな非課税枠が設けられています。さらに、他の所得と合算せずに単独で税率を掛ける分離課税が適用され、課税対象額自体も2分の1にされるという非常に強い税制優遇が図られています。
肢④の解説でも述べたように、老齢給付金の一括受取が退職所得とされるのは、この手厚い優遇措置を適用するためです。
肢④の解説でも述べたように、老齢給付金の一括受取が退職所得とされるのは、この手厚い優遇措置を適用するためです。
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