四択問題
分野:金融
下記の〈条件〉で、円貨を米ドルに交換して米ドル建定期預金に10,000米ドルを預け入れ、満期時に元利金の米ドルを円貨に交換して受け取る場合における利回り(単利・年率)として、最も適切なものはどれか。なお、税金については考慮しないものとし、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入するものとする。
- 5.94%
- 6.68%
- 6.71%
- 7.45%
解答
1
解説
満期時に元利金の米ドルを円貨に交換して受け取る場合における利回り(単利・年率)は、以下の3ステップで計算します。
預入時に円を米ドルに換えるさいはTTSが適用されるため、10,000米ドルにTTS(140.00円)を乗じて、円ベースの投資元本を計算します。
10,000米ドル×140.00円=1,400,000円
1年後の満期時に受け取る米ドルは、投資元本に3.00%の利息が加わるため、先に米ドルベースの受取金額を計算したうえで、受取時に米ドルを円に換えるさいに適用するTTB(144.00円)を乗じて、円ベースの受取金額を計算します。
10,000米ドル×(1+0.03)=10,300米ドル
10,300米ドル×144.00円=1,483,200円
ステップ2で求めた満期時の受取金額から、ステップ1で求めた投資元本を差し引くことにより、1年間の利益を計算したうえで、その利益の額を投資元本で除することにより利回りを求めます。
なお、問題文に「税金については考慮しないものとし、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入するものとする。」という指示があるので、最後に小数点以下第3位を四捨五入します。
1,483,200円-1,400,000円=83,200円
83,200円÷1,400,000円×100=5.942…%
- 〇(適切):上記のとおりです。
- ✕(不適切):「6.68%」という数値は、預入時と満期時の両方において、適用レートを「TTS」で計算してしまった場合の誤答パターンです。満期時に外貨を円に換えるさいにTTS(145.00円)を用いてしまうと、受取金額が1,493,500円に膨らみ、実際の利回りよりも高い結果が導き出されてしまいます。
- ✕(不適切):「6.71%」という数値は、預入時と満期時の両方において、適用レートを「TTB」で計算してしまった場合の誤答パターンです。預入時に円を外貨に換えるさいにTTB(139.00円)を用いてしまうと、必要な投資元本が1,390,000円と過少に計算され、分母が小さくなることによって利回りが不当に高く算出されてしまいます。
- ✕(不適切):「7.45%」という数値は、預入時と満期時の適用レートを逆にして計算してしまった場合の誤答パターンです。預入時にTTB(139.00円)、満期時にTTS(145.00円)を適用すると、為替差益が最大化される都合の良い計算となり、本来の投資結果とは異なる高い利回りが算出されてしまいます。
本問で問われている対顧客直物電信売買相場(TTS・TTB)とは、銀行などの金融機関が顧客と外貨を取引するさいに基準とする為替レートのことです。基準値(TTM)に対して、金融機関から見て外貨を売るレートがTTS(Telegraphic Transfer Selling rate)、買うレートがTTB(Telegraphic Transfer Buying rate)と呼ばれ、このレートに含まれる基準値との差額が金融機関の実質的な為替手数料になります。
外貨預金において、どちらのレートを使うべきか迷った場合は、銀行の立場を基準にして考えると分かりやすいです。TTS(Telegraphic Transfer Selling rate)の「Selling(売る)」は、銀行が顧客に対して外貨を「売る」レートです。つまり、顧客が円を外貨に換えるさいに適用されます。一方、TTB(Telegraphic Transfer Buying rate)の「Buying(買う)」は、銀行が顧客から外貨を「買う」レートです。したがって、顧客が外貨を円に戻すさいに適用されます。
これを本問に当てはめてみると、まず、銀行は(顧客の)投資時に、顧客に対して米ドルを売っている(Sell)のでTTSが適用されます。一方、銀行は満期時に、顧客から米ドルを買っている(Buy)のでTTBが適用されます。

