2026年5月公表分

【試験問題解説】FP2級 学科試験 2026年5月公表 問37(法人税)

四択問題

分野:タックス

法人税の益金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、法人は内国法人(普通法人)であるものとする。

  1. 法人が法人税の還付を受けた場合、還付加算金は益金の額に算入し、還付金は益金不算入となる。
  2. 法人が完全支配関係のある法人の株式(完全子法人株式等)に係る配当を受け取った場合、その全額が益金不算入となる。
  3. 法人が行った資産の販売または譲渡に係る収益の額は、原則として、その資産の引渡しの時における価額により、引き渡した日の属する事業年度の益金の額に算入する。
  4. 法人がその有する棚卸資産の評価換えをしてその帳簿価額を増額した場合、その増額した部分の金額は、原則として、益金の額に算入する。



解答

4

解説

  1. 〇(適切):記述の通りです。法人が納付した法人税が過大であった場合等に還付される「法人税の還付金」は、そもそも納付時に損金の額に算入されていないため、還付されたさいにも益金の額には算入されません。一方、還付金に上乗せして支払われる「還付加算金」については、預貯金の利息に相当する性質を持つため、益金の額に算入します。
  2. 〇(適切):記述の通りです。法人が他の法人から受け取る配当金について、配当を支払う法人との間に完全支配関係(100%の資本関係)がある完全子法人株式等に該当する場合、受け取った配当金の全額が益金不算入となります。これは、法人間の二重課税を排除するために設けられている規定です。
  3. 〇(適切):記述の通りです。法人が行った棚卸資産等の資産の販売または譲渡による収益は、原則として、その資産を引き渡した日の属する事業年度の益金の額に算入されます。これを引渡基準といい、売上計上の時期は契約日や代金の受領日ではなく、資産の引渡しが完了した日となります。
  4. ✕(不適切):「益金の額に算入する」という点が誤りです。正しくは「益金の額に算入しない」です。
    法人が有する棚卸資産や有価証券などの資産について、任意に時価評価を行って帳簿価額を増額させたとしても、その評価益(増額部分)は原則として益金の額に算入されません。法人税法では、資産の譲渡等によって利益が実現するまでは課税を行わないという実現主義の原則が採られているため、単なる含み益の段階で課税されることはありません。
肢②の補足

法人が受け取る配当金は、既に法人税が課税された後の税引後利益が原資になっています。この配当金を受け取った法人側でさらに法人税を課してしまうと、同一の利益に対して二度課税されることになるため、法人税法では持株割合に応じた益金不算入の割合を設定しています。
本肢で問われている「完全支配関係がある完全子法人からの配当」については、全額(100%)が益金から除外されますが、株式の保有割合が下がるにつれて、益金不算入となる割合も段階的に減少(100%→50%→20%)していく仕組みになっています。

田口先生1
田口先生
肢①の解説にも書いたように、法人税は損金の額に算入できませんが、その他の税金もすべて同じ取扱いではありません。事業活動の維持費用とみなされる法人事業税、固定資産税、印紙税、登録免許税、都市計画税などについては、原則として、納税申告書を提出した日の属する事業年度の損金の額に算入することができます。

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