2026年5月公表分

【試験問題解説】FP2級 学科試験 2026年5月公表 問44(借地借家法)

四択問題

分野:不動産

借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、定期建物賃貸借契約を定期借家契約という。

  1. 定期借家契約は、賃貸借期間を6カ月未満とすることができる。
  2. 定期借家契約を締結する場合、賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対し、契約の更新がなく、期間の満了により賃貸借が終了する旨を記載した公正証書を交付して説明しなければならない。
  3. 建物の賃借人は、建物の賃借権の登記がなくても、建物の引渡しを受けていれば、その後その建物の物権を取得した者に対して賃借権を対抗することができる。
  4. 定期借家契約において期間が1年以上である場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6カ月前までの間に賃借人に対して期間満了により契約が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない。



解答

2

解説

  1. 〇(適切):記述の通りです。定期借家契約では、存続期間に制限が設けられておらず、1年未満の短い期間を定めることも可能です。なお、更新が前提となる普通借家契約において1年未満の期間を定めた場合は、法律上、期間の定めのない契約として扱われます。
  2. ✕(不適切):「公正証書を交付して説明しなければならない」という点が誤りです。正しくは「書面を交付して説明しなければならない」です。
    定期借家契約を締結するさい、貸主はあらかじめ借主に対して契約の更新がない旨を記載した書面を交付して説明する義務があります。この事前の説明において交付する書面は、内容が明確に伝わるものであれば足り、必ずしも公正証書などの厳格な形式に限定されているわけではありません。
  3. 〇(適切):記述の通りです。建物の賃貸借契約において、借主の権利(賃借権)を登記していなくても、すでにその建物の引渡しを受けていれば、その後、建物を買い取った新しい所有者などに対して自らの権利を主張(対抗)することができます。
  4. 〇(適切):記述の通りです。契約期間が1年以上である定期借家契約において、貸主が期間満了により契約を終了させるためには、期間満了の1年前から6か月前までの間に、借主に対して契約が終了する旨の通知をする必要があります。この期間を過ぎてから通知した場合、借主に対して即時の退去を求めることはできません。
肢①②の補足

賃貸借契約の成立において、普通借家契約は借主保護の観点から、書面だけでなく口頭による契約も有効とされています。一方、更新がなく期間満了によって必ず契約が終了する定期借家契約では、借主が不測の不利益を被らないよう、法律上、厳格な手続きが要求されています。
具体的には、期間の定めに下限(普通借家にある「1年未満」の制限)がない代わりに、書面(電磁的記録を含む)による契約の締結に加え、契約締結までに貸主が借主に対して「更新がなく期間満了により終了する旨」を記載した書面(電磁的記録を含む)を交付して説明すること、の2つが必須の要件になっています。

肢③の補足

民法の原則では、不動産の賃借権を第三者に対抗(主張)するためには登記が必要です。
しかし、賃借権の登記には貸主の協力が不可欠であり、現実には登記できないケースが多く見られました。そのままでは、建物の所有者が変わったさいに借主が退去を迫られる恐れがあり、結果として借主の地位が不安定になります。
そこで借地借家法では借主を保護するため、登記がなくても、実際に建物を利用しているという事実があれば、それをもって第三者に対抗できる(退去を拒める)という特例を認めています。

田口先生1
田口先生
定期借家契約においては、「賃料を増額しない旨の特約」「賃料を減額しない旨の特約」のどちらも有効です。一方、普通借家契約においては「(賃借人にとって有利な)賃料を増額しない旨の特約」は有効ですが、「(賃借人にとって不利な)賃料を減額しない旨の特約」は賃借人保護の観点から無効になります。

FP3級 試験問題解説 全問リスト

FP2級 試験問題解説

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です