2026年5月公表分

【試験問題解説】FP2級 学科試験 2026年5月公表 問46(建築基準法)

四択問題

分野:不動産

建築基準法における容積率に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 敷地の前面道路の幅員が15m未満である建築物の容積率は、都市計画で定められた数値および当該前面道路の幅員に10分の4または10分の6を乗じた数値以下でなければならない。
  2. 共同住宅の共用の廊下および階段の用に供する部分の床面積は、当該共同住宅の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の3分の1を限度として、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入されない。
  3. 専ら自動車または自転車の停留または駐車のための施設の用途に供する部分(自動車車庫等部分)の床面積は、その敷地内の建築物の各階の床面積の合計の3分の1を限度として、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入されない。
  4. 建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものの住宅の用途に供する部分の床面積は、原則として、当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の3分の1を限度として、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入されない。



解答

4

解説

  1. ✕(不適切):「敷地の前面道路の幅員が15m未満である」という点が誤りです。正しくは「敷地の前面道路の幅員が12m未満である」です。
    建築物の敷地の前面道路の幅員が12m未満である場合、その敷地の容積率の最高限度は、都市計画で定められた指定容積率と、前面道路の幅員に法定乗数を乗じて得た数値のうち、いずれか小さい方(厳しい方)になります。なお、法定乗数は原則として、住居系の用途地域では10分の4、住居系以外の用途地域(商業系・工業系など)では10分の6と定められています。
  2. ✕(不適切):「合計の3分の1を限度として、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入されない」という点が誤りです。正しくは「面積の限度はなく、そのすべてが建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入されない」です。
    共同住宅(マンションなど)の共用廊下や階段は、避難経路の確保など安全面で不可欠な施設です。これらを容積率の計算に含めてしまうと、建築主が居住スペースを優先して廊下を狭くするおそれがあるため、面積の限度を設けず、そのすべてを容積率の計算から除外することが認められています。
  3. ✕(不適切):「各階の床面積の合計の3分の1を限度として」という点が誤りです。正しくは「各階の床面積の合計の5分の1を限度として」です。
    敷地内に設ける自動車や自転車の車庫等の床面積は、建物全体の延べ面積の5分の1を限度として、容積率の計算から除外することができます。これは、都市部における路上駐車を減らし、敷地内への駐車場整備を促す目的で設けられた緩和措置です。
  4. 〇(適切):記述の通りです。住宅の地階(天井が地盤面から高さ1m以下にあるもの)で、住宅の用途に供する部分の床面積については、その敷地内の住宅の用途に供する部分の延べ面積の3分の1を限度として、容積率の算定基礎となる延べ面積から除外されます。これは、限られた敷地であっても地下空間を有効活用し、良質な住宅の供給を促進するための緩和措置です。
肢①の補足

都市計画では敷地ごとに「指定容積率」が定められますが、目の前の道路が狭いにもかかわらず高い建物を建ててしまうと、火災時の消防活動や、周辺の日照・通風に大きな支障をきたします。そのため、前面道路の幅員が12m未満の敷地においては、インフラの許容量に見合った規模に抑えるよう、「前面道路の幅員×法定乗数(住居系は10分の4、それ以外は10分の6)」による制限が重ねて課されます。最終的な容積率の最高限度は、これら「指定容積率」と「前面道路の幅員から算出した数値」を比較し、いずれか小さい方(厳しい方)が適用されます。

肢②③④の補足

容積率の算定基礎となる延べ面積の免除ルールは、その目的に応じて上限の有無が異なります。共同住宅の共用廊下や階段、エレベーターの昇降路などは、居住者の移動や安全・避難に関わる設備であるため、上限の制限なくその床面積のすべてが不算入となります。
一方、車庫や住宅の地階は、生活の利便性向上や空間の有効活用を促すためのものであり、無制限に免除すると容積率規制が形骸化する恐れがあります。そのため、車庫は敷地内の建築物の延べ面積の5分の1、地下室は住宅部分の延べ面積の3分の1を限度として算入が免除されるという上限が設けられています。

田口先生1
田口先生
防火地域内に耐火建築物を建築することにより、建ぺい率の制限については緩和措置の適用を受けることができますが、容積率の制限については緩和措置の適用を受けることができません。「建ぺい率」と「容積率」を混同しないように気をつけましょう。

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