四択問題
分野:不動産
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 管理者は、少なくとも毎年1回、集会を招集しなければならない。
- 集会の招集の通知は、原則として、開催日の少なくとも1カ月前までに、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない。
- 区分所有者は、敷地利用権が数人で有する所有権である場合、規約に別段の定めがない限り、敷地利用権を専有部分と分離して処分することができる。
- 集会の決議は、当該決議後に区分所有権を譲り受けた者に対し、その効力を有しない。
解答
1
解説
- 〇(適切):記述の通りです。区分所有法では、マンションの管理・運営に関する重要事項を決定するため、管理者は少なくとも毎年1回、区分所有者を招集して集会を開かなければならないと定められています。これにより、定期的な管理状況の報告や今後の運営方針の決定が担保されています。
- ✕(不適切):「開催日の少なくとも1か月前までに」という点が誤りです。正しくは「開催日の少なくとも1週間前までに」です。
集会を招集するさいの通知は、原則として、開催日の少なくとも1週間前までに、会議の目的たる事項(議題)を示して各区分所有者に発しなければなりません。ただし、この1週間という期間は規約によって伸縮することが認められているため、マンションの実情に合わせて変更することも可能です。 - ✕(不適切):「規約に別段の定めがない限り、敷地利用権を専有部分と分離して処分することができる」という点が誤りです。正しくは「規約に別段の定めがない限り、敷地利用権を専有部分と分離して処分することはできない」です。
マンションの部屋(専有部分)とその建物の敷地を利用する権利(敷地利用権)は、原則としてセットで扱われます。そのため、部屋だけを売却して土地の権利だけを残す、あるいはその逆のように、両者を切り離して売買や抵当権の設定をすることは禁止されています。 - ✕(不適切):「当該決議後に区分所有権を譲り受けた者に対し、その効力を有しない」という点が誤りです。正しくは「当該決議後に区分所有権を譲り受けた者に対しても、その効力を有する」です。
集会での決議事項(修繕積立金の増額やペット飼育の禁止など)や規約の効力は、決議の当時に所有者だった者だけでなく、その後にマンションを中古で購入したり、相続したりして新たに区分所有者となった者に対しても及びます。
肢③の補足
一戸建てとは異なり、マンションの敷地は多くの所有者で共有されています。もし、部屋(専有部分)と土地の権利(敷地利用権)を別々に売却できるとすると、マンションには住んでいないが土地の権利だけを持つ人が現れたり、部屋は持っているが土地の権利を持たない人が現れたりします。
このような状態になると、将来の大規模修繕や建て替えの合意形成が極めて困難になるため、区分所有法では原則として両者を切り離して処分することを禁じ、権利関係の複雑化を防いでいます。
肢④の補足
マンションの管理は、すべての所有者が共通のルールに従うことで成り立っています。もし、新しく入居してきた人が「自分が参加していない集会で決まったルールだから従う義務はない」「前の持ち主が滞納した管理費は支払わない」と主張できてしまうと、マンション全体の管理秩序が崩壊してしまいます。そのため、規約や集会の決議は、その後に所有権を取得した者(特定承継人)に対しても、法律上その効力が及ぶと定められています。
田口先生
肢④の補足で触れた「前の持ち主(前区分所有者)が滞納した管理費」については、区分所有法第8条において特定承継人も責任を負う(支払義務がある)ことが明記されています。これにより、管理組合は新しい所有者に対して滞納分を請求することが法的に認められています。新しい所有者が未納分を支払った場合には、前の持ち主に対してその金額を返還するよう求めることができます。
ただし、不動産の売買契約においては、売主負担分の滞納金を精算する特約が交わされるのが一般的であるため、新しく入居した人が実質的に前の持ち主の滞納金を身銭を切って負担する上記のようなケースは滅多にありません。
ただし、不動産の売買契約においては、売主負担分の滞納金を精算する特約が交わされるのが一般的であるため、新しく入居した人が実質的に前の持ち主の滞納金を身銭を切って負担する上記のようなケースは滅多にありません。
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