2026年5月公表分

【試験問題解説】FP2級 学科試験 2026年5月公表 問53(法定後見制度)

四択問題

分野:相続

法定後見制度に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。

法定後見制度は、本人の判断能力が( ア )に、( イ )が選任した成年後見人等が本人を法律的に支援する制度である。法定後見制度には、精神上の障害による本人の判断能力の程度によって、( ウ )の3つの類型がある。

  1. (ア)不十分になる前・(イ)本人・(ウ)後見・保佐・補助
  2. (ア)不十分になった後・(イ)家庭裁判所・(ウ)後見・保佐・補助
  3. (ア)不十分になった後・(イ)本人・(ウ)後見・介護・支援
  4. (ア)不十分になる前・(イ)家庭裁判所・(ウ)後見・介護・支援



解答

2

解説

  1. ✕(不適切):「(ア)不十分になる前・(イ)本人」という点が誤りです。
    法定後見制度は、認知症や知的障害などにより本人の判断能力が不十分になった後に利用を開始する制度です。また、支援者(成年後見人等)を選任するのは本人ではなく家庭裁判所です。なお、本人の判断能力が不十分になる前に、あらかじめ自ら支援者を選任しておく制度を「任意後見制度」といいます。
  2. 〇(適切):記述の通りです。法定後見制度は、本人の判断能力が不十分になった後に、家庭裁判所が選任した成年後見人等が本人を法律的に支援する制度です。また、本人の判断能力の低下の程度に応じて、重い順から後見・保佐・補助という3つの類型が設けられており、それぞれ支援者に与えられる権限の範囲が異なります。
  3. ✕(不適切):「(イ)本人・(ウ)後見・介護・支援」という点が誤りです。
    法定後見制度において支援者を選任する機関は家庭裁判所です。また、法定後見制度の類型は精神上の障害による判断能力の程度に応じて定められており、後見・保佐・補助の3種類です。介護や支援という類型は存在しません。
  4. ✕(不適切):「(ア)不十分になる前・(ウ)後見・介護・支援」という点が誤りです。
    法定後見制度は、認知症や知的障害などにより本人の判断能力が不十分になった後に利用を開始する制度です。また、法定後見制度の類型は精神上の障害による判断能力の程度に応じて定められており、後見・保佐・補助の3種類です。介護や支援という類型は存在しません。
法定後見制度と任意後見制度の違い

成年後見制度は、利用目的と開始時期により「法定後見」と「任意後見」の2つに大別されます。
法定後見は、既に認知症等により判断能力が不十分となった方を保護する制度であり、事後的に家庭裁判所が適切な支援者(成年後見人等)を選任します。これに対し、任意後見は将来的な判断能力の低下に備える制度です。本人の判断能力が健全なうちに、本人の自由な意思に基づき、将来の支援者(任意後見受任者)と任意後見契約を公正証書によって締結します。
制度運用の開始契機、および支援者の選定主体が「家庭裁判所」であるか「本人」であるかという点が、両制度の本質的な相違点です。

法定後見制度における「後見」「保佐」「補助」

法定後見制度における「後見」「保佐」「補助」の3類型は、本人の事理弁識能力の程度(欠く常況、著しく不十分、不十分)を基準に区分され、それに応じて支援者の権限範囲が決定されます。
判断能力が最も減退している「後見」の類型では、本人の保護を最優先とし、成年後見人に包括的な代理権および取消権が付与されます。これに対し、「保佐」や「補助」の類型では、本人の残存能力の活用と自己決定権の尊重という理念に基づき、同意権や代理権の行使範囲が、法律の規定や家庭裁判所の審判によって個別具体的に限定されます。
このように、本人の個別的な状況に応じた柔軟かつ最適な保護を図るため、段階的な区分管理がなされています。

田口先生1
田口先生
本問では問われていませんが、学科試験では「成年後見人」についてよく問われます。
成年後見人は、民法第847条で定められている欠格事由(未成年者や破産者など)に該当しない限り、誰でもなることができます。特別な資格は不要ですし、試験や研修を受ける必要もありません。また、個人だけでなく法人も成年後見人になることが可能です。

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