2025年5月公表分

【試験問題解説】FP2級 学科試験 2025年5月公表 問14(生命保険料控除)

四択問題

分野:リスク

所得税における生命保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、生命保険契約は2012年1月1日以後に締結されたものとし、ほかに必要な要件等はすべて満たしているものとする。

  1. 勤労者財産形成貯蓄積立保険(一般財形)の保険料は、一般の生命保険料控除の対象となる。
  2. 特定(三大)疾病保障定期保険の保険料は、一般の生命保険料控除の対象となる。
  3. 一般の生命保険料控除、個人年金保険料控除および介護医療保険料控除の控除限度額は、各5万円である。
  4. 終身保険の月払保険料について、保険料の支払がなかったため自動振替貸付により保険料の払込みに充当された金額は、その年分の生命保険料控除の対象とならない。



解答

2

解説

本問は、所得控除の一種である生命保険料控除の対象になる保険の種類や、2012年以降に締結された新契約における控除限度額などの基本ルールを問う問題です。

生命保険料控除とは、納税者が自分や家族のために生命保険・医療保険・個人年金保険などの保険料を支払った場合に、その支払った金額の一定額をその年の所得(利益)から差し引くことができ、結果として所得税や住民税が安くなる所得控除の一種です。2012年(平成24年)1月1日以後の「新契約」からは、一般の生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除の3つの枠で構成されています。

  1. ✕(不適切):「一般の生命保険料控除の対象となる」という点が誤りです。正しくは「生命保険料控除の対象にはならない」です。
    勤労者財産形成貯蓄積立保険(一般財形)は、会社員などが給与天引きで資産形成をするための貯蓄を目的とした制度であり、死亡リスクや医療リスクに備える本来の生命保険の趣旨とは異なります。そのため、支払った保険料を生命保険料控除の対象に含めることはできません。
  2. 〇(適切):記述の通りです。特定疾病(三大疾病:ガン・急性心筋梗塞・脳卒中)保障定期保険の保険料は、一般の生命保険料控除の対象になります。病気に備えるものなので介護医療枠のようにも思えますが、特定疾病保険金は生存中だけでなく、特定疾病以外の原因で死亡した場合でも死亡保険金として支払われるため、実は「生死に関わる保険金」という性質を持っています。そのため、介護医療枠ではなく一般枠での控除扱いとなります。
  3. ✕(不適切):「各5万円」という点が誤りです。正しくは「各4万円」です。
    2012年1月1日以後に締結した新契約における所得税の生命保険料控除は、一般・個人年金・介護医療の3つの枠それぞれで上限が各4万円となっており、合計で最大12万円まで控除することができます。なお、本肢の「5万円」という数字は、2011年12月31日以前に契約した旧契約(一般と個人年金の2枠で最大10万円控除)のルールの数字を使った引っかけです。
  4. ✕(不適切):「生命保険料控除の対象とならない」という点が誤りです。正しくは「生命保険料控除の対象になる」です。
    自動振替貸付とは、保険料の支払いが滞ったさいに、保険会社が契約者の解約返戻金の範囲内で立て替えて保険料を自動的に支払ってくれる(貸し付けてくれる)制度です。これは実質的に「契約者が保険会社からお金を借りて、その借りたお金で保険料を無事に支払った」のと同じ状態であるとみなされます。そのため、実際に契約者が自腹を切っていなくても、立替で支払われた分はその年の生命保険料控除の対象として申告することができます。
田口先生1
田口先生
生命保険料控除に関しては、かつては「一般の生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」の2つの枠しかありませんでした。しかし高齢化社会が進む中で、国としては国民自身に民間の医療保険や介護保険で将来に備えてほしいという狙いがありました。
そこで2012年の税制改正により、新しく「介護医療保険料控除」の専用枠を設けました。枠が2つから3つに増えた分、1枠あたりの限度額を旧契約の5万円から新契約では4万円に少し下げて、全体のバランスをとるという調整が行われています。

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