四択問題
分野:相続
宅地の相続税評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 路線価が定められていない地域の宅地の価額は、倍率方式によって評価する。
- 不整形地である宅地の価額を倍率方式によって評価する場合、原則として、その宅地の固定資産税評価額に国税局長が一定の地域ごとに定めた倍率を乗じた価額に、その宅地の形状に応じた補正率を乗じて計算した金額によって評価する。
- 宅地の価額は、2筆の宅地が一体として利用されている場合、その2筆の宅地全体を1画地として評価する。
- 正面および側方の2つの路線に接する宅地(角地)の価額を路線価方式によって評価する場合、それぞれの路線の路線価に奥行価格補正率を乗じて求めた価額を比較し、いずれか高いほうの路線が正面路線となる。
解答
2
解説
本問は、相続税における宅地の評価方法(路線価方式と倍率方式)の基本的な仕組みや、土地の形状・利用状況に応じた具体的な評価ルールを問う問題です。
- 〇(適切):記述の通りです。市街地などの主要な道路に路線価が設定されている地域では路線価方式を用いますが、郊外や農村部など、路線価が定められていない地域では倍率方式を用いて評価します。日本のすべての土地の道路に路線価を設定するのは実務上不可能なため、このように地域によって2つの方式を使い分ける仕組みになっています。
- ✕(不適切):「その宅地の形状に応じた補正率を乗じて計算した金額によって評価する」という点が誤りです。正しくは「その宅地の形状に応じた補正率は乗じない」です。
倍率方式による評価額は、「固定資産税評価額×評価倍率」というシンプルな算式で計算します。このベースとなる固定資産税評価額は、すでにその土地が不整形地であることや間口が狭いことなどの、形状によるマイナス要素をすべて織り込んだ上で金額が決定されています。
したがって、相続税の計算のさいに改めて形状による補正率(不整形地補正率など)を掛けてしまうと、マイナス要素を二重に差し引くことになり、結果として評価額が不当に低くなってしまうため、このような補正は行いません。 - 〇(適切):記述の通りです。登記簿上の土地の単位は「筆(ひつ)」ですが、相続税の評価においては登記簿上の区分にはとらわれず、実際の利用状況を基準とする「画地(かくち)」という単位で評価します。2筆の土地にまたがって1つの自宅が建っているような場合、登記が2つに分かれていても、全体を1つの画地としてまとめて評価額を計算します。
- 〇(適切):記述の通りです。角地のように2つの道路に接している土地を路線価方式で評価する場合、単純に単価(路線価)が高い方の道路を正面路線とするわけではありません。
それぞれの路線価に、その道路からの「奥行価格補正率(奥行きが長すぎたり短すぎたりすることによる価値の減少割合)」を掛けた後の金額を比較し、実際に宅地として利用した場合の価値が高くなる方の道路を正面路線として判定します。
田口先生
土地の評価で「不整形地補正」や「奥行価格補正」といった形状による価格調整を行うのは、あくまで路線価方式を採用する場合のみです。路線価方式は、道路につけられた画一的な単価(路線価)をベースにするため、個々の土地のいびつな形を評価額に反映させるための個別補正が不可欠になります。
一方、倍率方式のベースとなる固定資産税評価額は、すでに市町村が1筆ごとの土地の形状を個別にチェックして価格を決定した調整済みの数字です。方式の違いによるベースの数字の性質(画一的な単価か、個別評価済みの額か)をきちんと理解しておきましょう。
一方、倍率方式のベースとなる固定資産税評価額は、すでに市町村が1筆ごとの土地の形状を個別にチェックして価格を決定した調整済みの数字です。方式の違いによるベースの数字の性質(画一的な単価か、個別評価済みの額か)をきちんと理解しておきましょう。
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