2025年5月公表分

【試験問題解説】FP2級 学科試験 2025年5月公表 問29(NISA)

四択問題

分野:金融

NISA(少額投資非課税制度)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、NISAにより投資収益が非課税となる口座をNISA口座という。

  1. NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の双方を、同一年中において、併せて新規投資に利用することはできない。
  2. NISA口座は、その年の1月1日時点において20歳未満の者は、開設することができない。
  3. NISAのつみたて投資枠を利用して購入した株式投資信託の非課税保有期間は、最長で20年間とされている。
  4. NISAのつみたて投資枠を利用して1年間のうちに株式投資信託を購入することができる限度額(年間投資枠)は、120万円である。



解答

4

解説

本問は、2024年に大幅な改正が行われ新しくスタートした新NISAの基本的なルールを問う問題です。

NISAは、国が個人の資産形成を後押しするために用意したお得な制度です。通常、株式や投資信託などを売却して得た利益や配当金には約20%の税金がかかりますが、NISA口座の中で投資をした分については、売却益や配当金・分配金にかかる税金がずっと非課税になります。

  1. ✕(不適切):「NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の双方を、同一年中において、併せて新規投資に利用することはできない」という点が誤りです。正しくは「同一年中において双方を併用することができる」です。
    2023年までの旧NISAでは「つみたてNISA」と「一般NISA」のどちらか一方しか選べないという厳しいルールがありました。しかし、2024年からの新NISAではこの制限が完全に撤廃され、毎月コツコツ積み立てる(つみたて投資枠)と好きなタイミングで株などを買う(成長投資枠)を、同じ口座で同時に併用することが可能になりました。
  2. ✕(不適切):「その年の1月1日時点において20歳未満の者は、開設することができない」という点が誤りです。正しくは「その年の1月1日時点において18歳未満の者は開設することができない(=18歳以上であれば開設できる)」です。
    民法の改正による成人年齢の引き下げに伴い、NISA口座を開設できる年齢要件も引き下げられました。現在は、その年の1月1日時点において18歳以上であれば、誰でも大人用のNISA口座を開設して投資を始めることができます。
  3. ✕(不適切):「最長で20年間とされている」という点が誤りです。正しくは「非課税保有期間は無期限とされている」です。
    旧制度の「つみたてNISA」では非課税となる期間が最長20年と決まっており、期間終了後の出口戦略に悩まされるという大きな課題がありました。新NISAではこの非課税期間が無期限(一生涯)に改善されたため、期限切れを気にすることなく、安心して長期投資を続けることができるようになりました。
  4. 〇(適切):記述の通りです。2024年からの新NISAにおいて、1年間に投資できる非課税の限度額(年間投資枠)は、つみたて投資枠が120万円(月額10万円)、成長投資枠が240万円と定められています。両方の枠をフル活用すると、年間最大360万円まで非課税で投資を行うことができます。
田口先生1
田口先生
日本は欧米に比べて個人の金融資産が預貯金に偏りすぎており、経済の成長に資金が回っていないという課題を抱えていました。そこで国は「貯蓄から投資へ」というスローガンを強力に推し進めるため、NISAの非課税保有期間を無期限にし、投資枠を大幅に拡大するという異例の税制優遇を断行しました。
この制度の裏には、国民に対して「自分の老後資金は国(年金)に頼り切るだけでなく、自分自身でしっかり確保してほしい」というメッセージが込められています。

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