2025年5月公表分

【試験問題解説】FP2級 学科試験 2025年5月公表 問12(生命保険)

四択問題

分野:リスク

生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない特約については考慮しないものとする。

  1. 逓減定期保険は、保険期間の経過に伴って所定の割合で保険料が逓減するが、保険金額は一定である。
  2. 収入保障保険の死亡保険金を一時金で受け取る場合の受取額は、年金形式で受け取る場合の受取総額よりも少ない。
  3. 低解約返戻金型終身保険では、他の契約条件が同一で低解約返戻金型ではない終身保険と比較して、保険料払込期間中の解約返戻金額が低く抑えられているため、割安な保険料が設定されている。
  4. 定期保険特約付終身保険(更新型)では、定期保険特約を同額の保険金額で更新した場合、更新後の保険料は更新前の保険料よりも高くなる。



解答

1

解説

本問は、生命保険の代表的な商品の特徴や受け取り方の違いによる基本ルールを問う問題です。

逓減定期保険・収入保障保険とは、時間の経過とともに受け取れる保険金額が少しずつ減っていく(逓減する)タイプの死亡保険です。子どもが成長して独立するにつれて、残された家族に必要な生活費や教育費は徐々に減っていきます。この必要保障額の減少に合わせて保険金が減るため、常に一定の保険金がもらえる定期保険よりも無駄がなく、保険料が安く設定されているのが特徴です。

  1. ✕(不適切):「保険期間の経過に伴って所定の割合で保険料が逓減するが、保険金額は一定である」という点が誤りです。正しくは「保険期間の経過に伴って所定の割合で保険金額が逓減するが、保険料は一定である」です。
    生命保険は本来、年齢が上がって死亡リスクが高まるにつれて、必要な保険料も高くなっていく仕組みです。しかしそれでは高齢時の支払いが厳しくなるため、全期間の保険料を平均化して毎月の支払いをずっと一定にする方式が一般的に使われています。
    逓減定期保険もこの方式を採用していますが、保険料の計算にあたって徐々に減っていく保険金額を考慮したうえで平均化されているため、保険金額がずっと変わらない通常の定期保険と比較すると、保険料が最初から割安に設定されているのが大きな特徴です。
  2. 〇(適切):記述の通りです。収入保障保険は、亡くなった時から保険期間の終了まで、毎月または毎年年金形式で給料のように少しずつ保険金を受け取るのが基本です。これを一時金受取に変更することも可能ですが、保険会社からすると、本来なら分割で支払う間にそのお金を手元で運用して増やせたはずの利益(利息分)がなくなってしまいます。
    そのため、一時金でまとめて受け取る金額は、年金形式で受け取る総額よりも割り引かれて少なくなります。
  3. 〇(適切):記述の通りです。低解約返戻金型終身保険は、保険料を払い込んでいる途中で解約した場合に戻ってくるお金(解約返戻金)を、通常の終身保険の7割程度に低く抑えるという制限を設けた保険です。途中で解約すると大きく損をしてしまうリスクを契約者が引き受ける代わりに、毎月の保険料が通常よりも割安に設定されているのが最大のメリットです。
    保険料払込期間が終わった直後に、解約返戻金が一気に通常の水準まで立ち上がるため、学資保険の代わりや老後の資金準備などに使われます。
  4. 〇(適切):記述の通りです。定期保険特約付終身保険(更新型)において、特約部分(10年や15年などの一定期間の死亡保障)の期間が満了し、健康状態の告知や審査なしで同じ保障額のまま更新した場合、更新後の保険料は必ず高くなります。
    生命保険の保険料は「年齢が上がるほど死亡リスクが高くなる(予定死亡率が上がる)」というルールで計算されているため、契約当初より年齢が上がった更新時の年齢で再計算されると、その上昇分に応じて保険料も上がります。
田口先生1
田口先生
逓減定期保険や収入保障保険の「徐々に保険金が減っていく」という仕組みは、ライフプランニングにおける必要保障額の考え方に基づいて設計されています。まず、子どもが生まれた瞬間は将来の生活費・学費などの保障が最大限に必要ですが、子どもが成長するにつれて必要な保障(将来の生活費・学費など)は徐々に少なくなっていきます。
この時間の経過とともに必要なお金は減っていく、という合理的な考え方をそのまま保険の形にしたのがこれらの保険であり、合理的な分だけ家計に優しい(=保険料が相対的に安い)仕組みになっています。

FP3級 試験問題解説 全問リスト

FP2級 試験問題解説

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です