四択問題
分野:不動産
都市計画区域および準都市計画区域内における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 敷地の前面道路の幅員が12m未満である建築物の容積率は、原則として、「都市計画で定められた数値」と「前面道路の幅員に一定の数値を乗じたもの」とのいずれか低いほうが上限となる。
- 準防火地域内に耐火建築物を建築する場合、建築物の建蔽率の制限について緩和措置の適用を受けることができる。
- 建築基準法第42条第2項の規定により道路境界線とみなされる線と道路との間の敷地部分(セットバック部分)は、建築物を建築することができないが、建築物の建蔽率および容積率の算定の基礎となる敷地面積に算入することができる。
- 建築物の敷地が2つの異なる用途地域にわたる場合、その全部について、敷地の過半の属する用途地域における建築物の用途に関する規定が適用される。
解答
3
解説
本問は、私たちが安全で快適な生活を送るために建物のルールを定めた「建築基準法」について、容積率や建ぺい率の制限、セットバック、用途地域がまたがる場合の規定など、宅地開発における重要なルールを総合的に問う問題です。
無秩序な建築を防ぎ、日照や通風、防災といった良好な都市環境を保全するという法律の目的を踏まえながら、それぞれの規制の仕組みを読み解いていきましょう。
- 〇(適切):記述の通りです。建物の前面道路の幅員が12m未満の場合、あらかじめ都市計画で定められた容積率(指定容積率)と、前面道路の幅員に一定の数値(住居系の地域なら原則として4/10、それ以外の地域は6/10)を掛けた容積率を比較し、より厳しい(低い)方の数値が上限として適用されます。これは、細い道路沿いに巨大な建物が建ち、交通渋滞や日照不足を招くことを防ぐための合理的な規制です。
- 〇(適切):記述の通りです。防火地域や準防火地域は、火災の延焼を防ぐために指定されるエリアです。この厳しい規制がある準防火地域内において、火災に強い耐火建築物(または準耐火建築物等)を建築して街の防災性向上に貢献してくれた人に対しては、ご褒美として建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)の制限を+10%(10分の1)緩和するという特例措置が設けられています。なお、両方の条件をみたす場合は20%緩和されます。
- ✕(不適切):「建築物の建蔽率および容積率の算定の基礎となる敷地面積に算入することができる」という点が誤りです。正しくは「敷地面積に算入することができない」です。
建築基準法上の道路は、原則として4m以上の幅員が必要です。ただし、古くからある4m未満の道(42条2項道路)の場合は例外が認められます。この場合、道路の中心線から2m後退(セットバック)した線を新たな道路境界線とみなします。
このセットバックした部分は将来的に道路となる部分であるため、建物を建てられないだけでなく、建ぺい率や容積率を計算するさいの敷地面積にも算入することはできません。 - 〇(適切):記述の通りです。建築物の敷地が2つの異なる用途地域(例:商業地域と第一種住居地域など)にまたがっている場合、その敷地にどのような用途の建物を建ててよいかという判断は、面積が広い方の地域の用途に関する規定が敷地全体に適用されます。このような考え方を「過半主義」と呼び、具体的には建築基準法第91条で規定されています。
本問の肢④では、建築物の敷地が2つの異なる用途地域にまたがっている場合の取り扱いが問われていますが、その他にも建築物の敷地が異なる2つの用途地域にわたる場合の処理には、いくつかのパターンがあります。よく問われる論点なので、きちんと押さえておきましょう。
- 建築物の敷地が異なる2つの用途地域にわたる場合
- 用途制限:面積が広いほうの制限を受ける
- 建ぺい率&容積率:加重平均で計算する
- 防火地域:厳しいほうの制限を受ける
田口先生
セットバック(道路の後退)の制度は、日本に古くから存在する狭い路地を、建て替えのタイミングを利用して少しずつ広げ、最終的に消防車や救急車がスムーズに通行できる安全な4m道路を確保するために作られた防災ルールです。そのため、個人の所有する土地であっても「みなし道路」となる部分の扱いは極めて厳格になっており、敷地面積の計算からも除外される仕組みになっています。
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