四択問題
分野:相続
民法上の相続分に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
- 養子の法定相続分は、実子の法定相続分と同じである。
- 嫡出でない子の法定相続分は、嫡出である子の法定相続分の2分の1である。
- 父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の法定相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の法定相続分の2分の1である。
- 代襲相続人が1人である場合、その代襲相続人の法定相続分は、被代襲者が受けるべきであった法定相続分と同じである。
解答
2
解説
本問は、法定相続人が複数いる場合に、遺産をどのような割合で分けるかという「法定相続分」の具体的なルールについて問う問題です。
FP2級の学科試験では、配偶者と子が相続する場合など基本的な割合はもちろんのこと、養子や婚姻外で生まれた子、異母兄弟などが絡む複雑な親族関係において、民法がどのように割合を定めているかがよく問われます。
- 〇(適切):記述の通りです。普通養子縁組であっても特別養子縁組であっても、養子の法定相続分は実子と全く同じです。養子縁組とは、法律上の親子関係を成立させる制度であり、縁組が成立した日から養子は実子と同等の権利と義務を持ちます。そのため、血のつながりの有無によって遺産の取り分に差がつけられることはありません。
- ✕(不適切):「嫡出である子の法定相続分の2分の1である」という点が誤りです。正しくは「嫡出である子の法定相続分と同じである」です。
嫡出でない子(婚姻関係にない男女の間に生まれた子、いわゆる非嫡出子)と嫡出子(婚姻関係にある夫婦の間に生まれた子)の法定相続分は、現在では完全に平等(同じ割合)です。親の婚姻状態という子自身にはどうすることもできない事情によって相続分に格差を設けることは不合理であるという最高裁判所の違憲判決に基づき、平成25年(2013年)に民法が改正されて同じ割合になりました。 - 〇(適切):記述の通りです。いわゆる「半血兄弟」と「全血兄弟」の相続分に関するルールです。たとえば、前妻との間の子と後妻との間の子のように、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹(半血兄弟)が相続人になる場合、その法定相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹(全血兄弟)の2分の1になります。これは、兄弟姉妹が相続人になる第三順位の相続においてのみ発生する特有の論点です。
- 〇(適切):記述の通りです。本来相続人となるはずだった子や兄弟姉妹が、被相続人より先に死亡している等の理由で相続できない場合、その人の子(孫や甥・姪など)が代わりに相続する制度を代襲相続と呼びます。代襲相続人は、本来相続するはずだった人(被代襲者)の相続分をそのままそっくり引き継ぎます。したがって代襲相続人が1人であれば、被代襲者が受けるはずだった割合をそのまま取得し、複数人いればその引き継いだ割合をさらに人数で等分することになります。
田口先生
肢②の「非嫡出子」の格差が憲法違反として是正されたのに対し、肢③の「半血兄弟」の格差は、現在でも違憲ではなく合法なルールとして存続しています。
なぜなら、「非嫡出子」の格差は親の勝手な都合(結婚しているか)で子どもを差別する理不尽なものであったのに対し、兄弟間の相続においては純粋に「亡くなった人との血のつながりの濃さ」が基準になるからです。
両親が同じ「全血兄弟」は亡くなった人と父・母の2つのルートでつながっているのに対し、「半血兄弟」は片方の1つのルートでしかつながっていません。兄弟姉妹の相続は、子どもや親がいない場合にのみ回ってくるいわば予備的な相続であるため、この「親族としての結びつきの強さ(ルートの数)」をそのまま相続割合(2対1)に反映させることは、不合理な差別には当たらないと解釈されています。
なぜなら、「非嫡出子」の格差は親の勝手な都合(結婚しているか)で子どもを差別する理不尽なものであったのに対し、兄弟間の相続においては純粋に「亡くなった人との血のつながりの濃さ」が基準になるからです。
両親が同じ「全血兄弟」は亡くなった人と父・母の2つのルートでつながっているのに対し、「半血兄弟」は片方の1つのルートでしかつながっていません。兄弟姉妹の相続は、子どもや親がいない場合にのみ回ってくるいわば予備的な相続であるため、この「親族としての結びつきの強さ(ルートの数)」をそのまま相続割合(2対1)に反映させることは、不合理な差別には当たらないと解釈されています。
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