四択問題
分野:金融
個人(居住者)が国内の金融機関を通じて取引する外貨建金融商品の一般的な仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 外貨建金融商品の取引に係る為替手数料は、同一の外貨を対象にする場合であっても、取扱金融機関によって異なることがある。
- 外貨預金の払戻し時において、預金者が外貨を円貨に交換する場合に適用される為替レートは、預入金融機関が提示する対顧客直物電信売相場(TTS)である。
- 外国為替証拠金取引では、証拠金にあらかじめ決められた倍率を掛けた金額まで売買することができるが、倍率には法令により上限が定められている。
- 米ドル建債券を保有している場合、為替レートが円安・米ドル高に変動することは、当該債券に係る円換算の運用利回りの上昇要因となる。
解答
2
解説
本問は、外貨預金や外国為替証拠金取引など、外貨建て金融商品を取引するさいの為替手数料や適用される為替レートのルール、為替変動が利回りに与える影響等について問う問題です。
肢②で問われている対顧客直物電信売買相場(TTS・TTB)とは、銀行などの金融機関が顧客と外貨を取引するさいに基準とする為替レートのことです。
基準値(TTM)に対して、金融機関から見て外貨を売るレートがTTS(Telegraphic Transfer Selling rate)、買うレートがTTB(Telegraphic Transfer Buying rate)と呼ばれ、このレートに含まれる基準値との差額が金融機関の実質的な為替手数料になります。
- 〇(適切):記述の通りです。外貨預金などの取引にかかる為替手数料は、法律で一律に決められているわけではなく、取り扱う銀行や証券会社などの金融機関がそれぞれ独自に設定しています。そのため、同じ米ドルを取り扱う場合であっても、A銀行とB銀行とで手数料が違ったり、同じ銀行でも窓口取引よりインターネット取引のほうが手数料が安く設定されたりすることが一般的です。
- ✕(不適切):「預入金融機関が提示する対顧客直物電信売相場(TTS)である」という点が誤りです。正しくは「預入金融機関が提示する対顧客直物電信買相場(TTB)である」です。
顧客が外貨預金を解約して円に交換するということは、銀行(金融機関)の視点から見ると、顧客から外貨を買い取る(Buy)ことになります。したがって、適用されるレートはTTB(Telegraphic Transfer Buying rate)です。逆に、顧客が円を外貨に替える(=銀行が外貨を売る)さいに適用されるレートがTTS(Sell)になります。 - 〇(適切):記述の通りです。外国為替証拠金取引(FX)は、証拠金を担保にして、手元資金の何倍もの金額の外貨を売買できる「レバレッジ効果」が最大の魅力です。しかし、レバレッジが高すぎるとわずかな為替変動で投資家が莫大な借金を背負う危険性があるため、金融商品取引法などの法令により、個人のFX取引におけるレバレッジの上限は「最大25倍まで」と定められています。
- 〇(適切):記述の通りです。米ドル建債券を保有している間に為替レートが円安・米ドル高になった場合、自分が持っている米ドルの価値が、円に対して相対的に高くなった(ドルの価値が上がった)ことを意味します。そのため、満期時や利払い時に受け取った米ドルを円に換算したさい、為替差益が発生して手元に戻ってくる円の金額が増えるため、円ベースでの運用利回りは上昇します。
田口先生
TTSの「S」はSell(売る)、TTBの「B」はBuy(買う)を意味しますが、ここでの主語はあくまで銀行(金融機関)です。顧客である自分自身を主語にして「自分が外貨を買うからBuy(TTB)だ!」と考えてしまうと、解答が真逆になってしまい引っかけの餌食になります。TTSとTTBは「誰が主語か」で決まることを押さえておきましょう。
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