四択問題
分野:タックス
法人税の基本的な仕組みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 法人税の納税地は、原則として、その法人の代表者の住所地または居所地である。
- 法人は、法人税の納税地に異動があった場合、原則として、異動前の納税地の所轄税務署長にその旨を届け出なければならない。
- 法人税の確定申告書は、原則として、各事業年度終了の日の翌日から1か月以内に、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
- 新設法人が設立事業年度から青色申告の適用を受けようとする場合、原則として、設立の日から1か月以内に、「青色申告の承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
解答
2
解説
本問は、法人税を納める場所(納税地)や申告等の手続きに関する様々なルールを問う問題です。
法人税の確定申告とは、法人が1年間の事業活動で得た所得(儲け)を計算し、事業年度終了後に自ら税務署へ申告して税金を納める手続きです。個人の所得税とは異なり、会社ごとに決算月を自由に決められるため、申告の時期も会社によってバラバラになるのが特徴です。
- ✕(不適切):「その法人の代表者の住所地または居所地である」という点が誤りです。正しくは「その法人の本店または主たる事務所の所在地である」です。
法人税の納税地は、社長個人の自宅の住所ではなく、登記されている会社の本店(または主たる事務所)の所在地になります。法人と社長個人は法律上全く別の存在として扱われるため、納税地も明確に区別されています。 - 〇(適切):記述の通りです。本店移転などで法人の納税地が変わった場合、法人は税務署に異動届出書を提出しなければなりません。そのさいの提出先は、引っ越し先の税務署ではなく、これまでお世話になっていた異動前の納税地の所轄税務署長になります。
- ✕(不適切):「各事業年度終了の日の翌日から1か月以内」という点が誤りです。正しくは「各事業年度終了の日の翌日から2か月以内」です。
法人税の確定申告は、決算日から2か月以内に行うのが原則です。たとえば3月31日決算の会社であれば、5月31日が確定申告と納税の期限になります。なお、決算の集計や株主総会の開催等でどうしても2か月で間に合わない場合は、事前に申請することで提出期限を延長してもらえる特例制度もあります。 - ✕(不適切):「設立の日から1か月以内」という点が誤りです。正しくは「設立の日から3か月以内(※正確には、『設立の日以後3か月を経過した日』と『設立第1期の事業年度終了の日』のうち、いずれか早い日の前日。)」です。
新しく設立した会社が1年目から税制上の様々なメリットがある青色申告を利用したい場合、設立日から3か月以内に税務署へ申請書を出さなければなりません。ただし、設立から3か月経つ前に最初の決算日が来てしまう場合は、その最初の決算日の前日までが期限になります。
肢③の「申告書の提出時期」については、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内ですが、提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限となります。例えば、3月決算の会社の場合は5月31日が提出の期限になりますが、31日が日曜日だった場合は翌日の6月1日が提出期限になります。
また、肢④の「新設法人の青色申告の承認申請期限」については、FP2級の学科試験でよく問われます。個人の承認申請期限とセットで押さえておきましょう。
- 青色申告の承認申請期限(法人)
- 原則:青色申告の承認を受けようとする事業年度開始日の前日
- 新規:「設立の日以後3か月を経過した日」と「設立第1期の事業年度終了の日」のうち、いずれか早い日の前日
- 青色申告の承認申請期限(個人)
- 原則:青色申告をしようとする年の3月15日
- 1月16日以降に開業:開業日から2か月
田口先生
以前は、法人の納税地が異動したさいには、異動前と異動後の両方の税務署に書類を提出しなければならず、二度手間で非常に不便でした。しかし、平成29年度の税制改正により手続きが簡素化され、現在は異動前の税務署にだけ提出すれば、税務署側のネットワークで異動後の税務署にも情報が共有される仕組みに改善されています。
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