2025年5月公表分

【試験問題解説】FP2級 学科試験 2025年5月公表 問39(消費税)

四択問題

分野:タックス

消費税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 消費税の課税期間に係る基準期間は、個人事業者についてはその年の前年である。
  2. 基準期間における課税売上高が1,000万円を超える法人は、消費税の免税事業者となることができない。
  3. 特定期間における給与等支払額の合計額および課税売上高がいずれも1,000万円を超える法人は、消費税の免税事業者となることができない。
  4. 消費税の課税事業者である法人は、原則として、課税期間の末日の翌日から2か月以内に、消費税の確定申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。



解答

1

解説

本問は、消費税の基本ルール(納付義務の判定基準や確定申告の期限など)を問う問題です。

肢①②で問われている「基準期間」とは、消費税を納める義務があるかどうかを判定するさいにベースとなる過去の期間のことです。原則として、個人事業者はその年の前々年、法人は前々事業年度を指します。この基準期間の課税売上高が1,000万円を超えているかどうかが、納税義務を判定するさいのポイントになります。

  1. ✕(不適切):「その年の前年である」という点が誤りです。正しくは「その年の前々年である」です。
    消費税の納税義務を判定する基準期間は、個人事業者の場合は前々年、法人の場合は前々事業年度です。仮に、1年前の売上高を基準としてしまうと、その売上高が確定した段階ではすでに当期が始まっています。そのため、後になってから「実は当期から課税事業者であった」と判明することになり、価格への消費税上乗せやレジの改修作業などが間に合いません。
    1年前ではなく2年前の売上高を基準とすることで、その売上高が確定してから実際に課税事業者となるまでに約1年弱の猶予が生まれるため、結果として実務上の十分な準備期間を確保することができます。
  2. 〇(適切):記述の通りです。消費税の納税義務は、原則として基準期間の課税売上高が1,000万円を超えるか否かで判定されます。1,000万円を超えている法人は、その事業年度において消費税を納める義務を負う課税事業者になるため、免税事業者を選択することはできません。
  3. 〇(適切):記述の通りです。基準期間の売上高が1,000万円以下であっても、直近で業績が急激に伸びている事業者を適正に課税対象とするため「特定期間」による判定ルールが設けられています。
    法人の場合、特定期間(原則として前事業年度の前半6か月間)における課税売上高と給与等支払額の両方が1,000万円を超えた場合には、特例としてその事業年度から課税事業者になります。逆に言えば、どちらか一方でも1,000万円以下であれば、免税事業者のままでいることが可能です。
  4. 〇(適切):記述の通りです。消費税の確定申告書の提出期限は、法人税の場合と同様に「課税期間の末日(事業年度終了の日)の翌日から2か月以内」と定められています。
    例えば、3月31日決算の法人であれば、5月31日が提出および納付の期限となります。なお、個人事業者の消費税の申告期限は、原則として所得税の申告期限(3月15日)よりも少し遅い3月31日になる点もあわせて整理しておきましょう。
田口先生1
田口先生
消費税の免税事業者は、所轄の税務署長に消費税課税事業者選択届出書を提出することにより、あえて課税事業者になることも可能です。この届け出により消費税の課税事業者となったときは、事業を廃止した場合を除き、原則として2年間は消費税の免税事業者に戻ることができません、本問とあわせて押さえておきましょう。

FP3級 試験問題解説 全問リスト

FP2級 試験問題解説

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です