2025年5月公表分

【試験問題解説】FP2級 学科試験 2025年5月公表 問40(財務諸表)

四択問題

分野:タックス

損益計算書および貸借対照表の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 損益計算書における売上総利益の額は、売上高の額から売上原価の額を差し引いた額である。
  2. 損益計算書における営業利益の額は、経常利益の額から販売費及び一般管理費の額を差し引いた額である。
  3. 貸借対照表における無形固定資産は、物理的な形態を持たない特許権や商標権等の資産の金額を表している。
  4. 貸借対照表における固定負債は、返済期限が決算日の翌日から1年以内に到来しない借入金等の負債の金額を表している。



解答

2

解説

本問は、企業の経営成績を表す損益計算書(P/L)と財政状態を表す貸借対照表(B/S)の基本的な構造や、資産・負債・純資産・収益・費用等の分類ルールについて問う問題です。

損益計算書は、企業の一会計期間における経営成績を示したものです。簡単に言うと、企業の1年間の成績表です。一方、貸借対照表は、決算期末時点など一時点における企業の財政状態を示したものです。企業の資金の調達源泉とその用途を示したもの、と言うこともできます。

なお、肢①②で問われている損益計算書の各利益はそれぞれ独立しているわけではなく、上から順番に段階的に計算していきます。学科試験で何度も出題されている論点なので、以下の基本的な構成を押さえておきましょう。

損益計算書の5つの利益
  • 売上高から売上原価を差し引いた残額が「売上総利益」です。
  • その売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いた残額が「営業利益」です。
  • その営業利益に営業外収益・営業外費用を加減した残額が「経常利益」です。
  • その経常利益に特別利益・特別損失を加減した残額が「税引前当期純利益」です。
  • その税引前当期純利益から法人税等を差し引いた残額が「当期純利益」です。
  1. 〇(適切):記述の通りです。損益計算書の各利益の中で一番上に位置する売上総利益は、会社のメインの売上高から、その商品を仕入れたり製造したりするために直接かかった原価(売上原価)を差し引いて計算します。粗利(あらり)とも呼ばれ、その商品やサービス自体が持つ根源的な稼ぐ力を表しています。
  2. ✕(不適切):「経常利益の額から販売費及び一般管理費の額を差し引いた額である」という点が誤りです。正しくは「売上総利益の額から販売費及び一般管理費の額を差し引いた額である」です。
    営業利益は、会社の本業における儲けを表す指標です。売上高から売上原価を差し引いて求めた売上総利益から、従業員の給与、広告宣伝費、家賃といった本業を営むために生じた経費(販売費及び一般管理費)を差し引いて計算します。
  3. 〇(適切):記述の通りです。貸借対照表の資産の部は、「流動資産」「固定資産」「繰延資産」に分かれ、さらに固定資産は「有形固定資産」と「無形固定資産」に別れます。
    本肢で問われている無形固定資産は、建物や土地のように目に見える形ではないものの、長期間にわたって会社に経済的な利益をもたらす価値のある権利等のことです。特許権、商標権、ソフトウェア、のれん(営業権)などが無形固定資産に該当します。
  4. 〇(適切):記述の通りです。貸借対照表において、資産や負債を「流動」と「固定」に分類するさい、原則としてワン・イヤー・ルール(1年基準)が用いられます。
    負債に関しては、決算日の翌日から起算して1年以内に支払いの期限が到来するものを「流動負債」、1年を超えて支払いの期限が到来するものを「固定負債」に区分します。
田口先生1
田口先生
貸借対照表に関しては、「資産=負債+純資産」という関係がよく問われます。
例えば、「貸借対照表における資産の部の合計額は、負債の部および純資産の部の合計額と一致する。」という文章は適切ですが、「貸借対照表における資産の部および負債の部の合計額と、純資産の部の合計額は一致する。」という文章は不適切です。

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