2025年5月公表分

【試験問題解説】FP2級 学科試験 2025年5月公表 問41(不動産の登記)

四択問題

分野:不動産

不動産の登記や調査に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 不動産登記の事務は、当該不動産の所在地である市区町村の役所や役場がつかさどっている。
  2. 抵当権の設定を目的とする登記では、債権額や抵当権者の氏名または名称などの登記事項が、不動産の登記記録の権利部乙区に記録される。
  3. 区分建物を除く建物に係る登記記録において、床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積(内法面積)により記録される。
  4. 不動産の登記事項証明書の交付を請求することができるのは、当該不動産の利害関係者に限られる。



解答

2

解説

本問は、不動産の権利関係を公にする不動産登記の仕組みや登記記録の構造、各種証明書の取得ルールについて問う問題です。

不動産登記とは、土地や建物の所在地・面積・所有者の氏名・担保の有無といった重要な情報を、法務局が管理する帳簿に記載し、誰でも確認できるようにすることで安全な不動産取引を支える公的な制度です。

  1. ✕(不適切):「当該不動産の所在地である市区町村の役所や役場がつかさどっている」という点が誤りです。正しくは「当該不動産の所在地を管轄する登記所(法務局、地方法務局、その支局または出張所)がつかさどっている」です。
    不動産の登記は、住民票などを扱う市区町村役場ではなく、国の行政機関である法務局が行います。不動産の実地調査や取引時の確認を行うさいも、役所ではなく管轄の法務局へ赴くか、オンライン等でアクセスする必要があります。
  2. 〇(適切):記述の通りです。登記記録の権利部は「甲区」と「乙区」に分かれており、甲区には所有権に関する事項(誰が現在の所有者かなど)、乙区には所有権以外の権利に関する事項(抵当権、地上権、賃借権など)が記録されます。住宅ローンを組んで銀行が抵当権を設定した場合、その債権額や銀行名などはこの権利部乙区に記載されます。
  3. ✕(不適切):「壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積(内法面積)により記録される」という点が誤りです。正しくは「壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積(壁心面積)により記録される」です。
    一般の戸建て住宅の登記記録上の床面積は、壁の厚みの中心線を結んだ「壁心面積(へきしんめんせき)」で計算されます。一方、分譲マンションなどの区分建物の場合は、壁の内側を測る「内法面積(うちのりめんせき)」で記録されます。この建物の種類による面積計算の違いは、FP2級の学科試験でよく出題されます。
  4. ✕(不適切):「当該不動産の利害関係者に限られる」という点が誤りです。正しくは「手数料を納付すれば誰でもその交付を請求することができる」です。
    不動産登記制度は、不動産の権利関係を一般に公開し、取引の安全を守ることを最大の目的としています。そのため、所有者や債権者といった利害関係者に限定されず、全く無関係の第三者であっても、所定の手数料を支払えば自由に登記事項証明書(登記簿謄本)を取得することが可能です。
田口先生1
田口先生
マンション等の床面積が内法面積とされる理由は、隣室との境界となっている壁の中心までを個人の所有物としてしまうと、隣室との間の壁の修繕や取り壊しにおいて権利関係のトラブルが生じやすくなるためです。壁の内側だけを個人の専有面積とすることで権利の範囲を明確にし、集合住宅ならではの紛争を未然に防ぐことができます。
なお、不動産登記には、登記記録を信じて取引した人を保護する「公信力」がないため、登記記録を確認し、その登記記録の内容が真実であると信じて取引しても、その登記記録の内容が真実と異なっていた場合、法的に保護されないことがあります。本問とあわせて押さえておきましょう。

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