四択問題
分野:不動産
土地の有効活用の手法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 事業受託方式では、土地所有者は建物の建設資金を負担することなく、土地有効活用の企画、建設会社の選定、建物の建設、建設した建物の管理・運営等をデベロッパーに任せることができる。
- 建設協力金方式では、土地所有者が土地上に建設するビルや店舗等を貸し付ける予定のテナントから、建設資金の全部または一部を借り受け、当該建物を建設することとなる。
- 定期借地権方式では、土地所有者が土地上に建設される建物の所有名義人となり、当該土地と建物を一定期間貸し付けることにより地代・賃料収入を得ることができる。
- 等価交換方式では、土地所有者は建物の建設資金を調達する必要はなく、土地の所有権の一部を譲渡することにより、当該土地上に建設された建物の全部を取得することができる。
解答
2
解説
本問は、遊休地などの不動産から収益を生み出し、節税を図るための土地の有効活用の手法について、それぞれの特徴や仕組みを問う問題です。
土地活用の手法には様々な方式が存在しますが、それぞれの事業において「誰が建設資金を負担するのか」「完成した建物の所有権は誰が持つのか」という根本的なリスクと権利の所在を正確に把握しておくことが重要です。
- ✕(不適切):「土地所有者は建物の建設資金を負担することなく」という点が誤りです。正しくは「土地所有者が自ら建物の建設資金を負担して」です。
事業受託方式は、土地所有者が自ら資金を調達(融資を含む)したうえで、企画・建設・テナント募集・管理といった事業のノウハウをデベロッパーや専門業者に委託する手法です。資金調達のリスクは土地所有者が負うことになりますが、完成した建物は100%自己所有となります。他の方式のように土地・建物の権利の一部を業者に手放したり、地代のみを受け取るわけではないため、ハイリスクである分、得られるリターンも大きくなりやすい点が特徴です。 - 〇(適切):記述の通りです。建設協力金方式は、ロードサイドの大型店舗やコンビニエンスストアなどでよく用いられる手法です。土地所有者が、そこに出店したいテナント企業から比較的低利息で建設協力金を借り受け、その資金でテナントの要望通りの建物を建設します。土地所有者は自ら資金を調達する負担がなく、テナントから受け取る毎月の家賃を原資として、借りたお金を分割で返済していきます。
- ✕(不適切):「土地所有者が土地上に建設される建物の所有名義人となり」という点が誤りです。正しくは「借地人(テナントやデベロッパー等)が土地上に建設される建物の所有名義人となり」です。
定期借地権方式は、土地所有者が自らの土地を一定期間貸すだけの手法です。したがって、その土地の上に建物を建てて所有するのは土地を借りた側(借地人)であり、土地所有者は建物の初期の建設資金を負担せず、借地人から毎月の地代のみを受け取ります。原則として、契約期間が満了すれば建物は取り壊され、土地は更地になって戻ってくるため(※建物譲渡特約付きの場合を除く)、将来的に土地を自身で利用したい場合や、建物投資に伴うリスク(空室リスクや多額の建築資金調達など)を避けたい場合に適している方式です。 - ✕(不適切):「当該土地上に建設された建物の全部を取得することができる」という点が誤りです。正しくは「当該土地上に建設された建物の一部(譲渡した土地に見合う価値分)を取得することができる」です。
等価交換方式は、土地所有者がデベロッパーに土地の全部または一部を譲渡(売却)し、デベロッパーが資金を出してその土地にマンション等を建設します。その後、土地所有者は提供した土地の価値に見合う分だけ、完成したマンションの部屋(建物の区分所有権)と、その敷地を利用する権利(敷地権)を取得します。資金負担ゼロで新しい建物を取得できるメリットがある一方、建物のすべてをもらえるわけではなく、土地の単独所有権を手放して共有名義にすることになる点が特徴です。
土地の有効活用で問われる4つの事業方式は、FP2級の学科試験でよく出題される論点のひとつです。4つの方式のどれが問われても対応できるように、以下の表の内容をきちんと押さえておきましょう。
土地の有効活用
| 土地の所有名義 (有効活用後) |
建物の所有名義 | 事業推進主体 | 建設資金の 本人負担 |
|
|---|---|---|---|---|
| 事業受託方式 | 本人 | 本人 | デベロッパー | あり |
| 建設協力金方式 | 本人 | 本人 | 本人 | なし |
| 定期借地権方式 | 本人 | 借地権者 (借地人) |
デベロッパー | なし |
| 等価交換方式 | 本人 デベロッパー |
本人 デベロッパー |
デベロッパー | なし |
田口先生
FP2級の学科試験では本問の4手法がよく問われますが、その他にもリスクとリターンが対極にある「自己建設方式」と「土地信託方式」などもあります。
自己建設方式は、自ら多額の建築資金(自己資金や借入)を負担して全てのリスクを負う分、最大のリターンを狙うことができます。一方の土地信託方式は、信託銀行に名義を移してプロに一任する手法です。銀行が資金調達を行うため地主に直接的な資金負担のリスクはありませんが、信託報酬が引かれるため収益性は下がります。
自己建設方式は、自ら多額の建築資金(自己資金や借入)を負担して全てのリスクを負う分、最大のリターンを狙うことができます。一方の土地信託方式は、信託銀行に名義を移してプロに一任する手法です。銀行が資金調達を行うため地主に直接的な資金負担のリスクはありませんが、信託報酬が引かれるため収益性は下がります。
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