2022年5月試験

FP2級 学科試験 2022年5月 問44(過去問解説)

四択問題

分野:不動産

借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。

  1. 普通借地権の設定契約において、居住以外の用に供する建物の所有を目的とする場合、期間の定めがないときは、存続期間は30年となるが、契約で期間を50年と定めたときは、存続期間は50年となる。
  2. 普通借地権の存続期間が満了した時点で借地上に建物が存在しない場合、借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求したときは、従前の契約と同一の条件で契約は更新されたものとみなす。
  3. 借地権者の債務不履行により普通借地権の設定契約が解除された場合、借地権者は借地権設定者に対し、借地上の建物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
  4. 借地権者は、普通借地権について登記がされていない場合において、当該土地上に借地権者の名義で登記がされている建物が滅失したときは、滅失後3年以内にその旨を当該土地上の見やすい場所に掲示すれば、当該借地権を第三者に対抗することができる。



解答

1

解説

1.は適切。普通借地権の最初の契約にあたっては、(目的にかかわらず)存続期間を30年以上に設定する必要があります。

30年以上の期間を定めた場合は「その定めた期間」、30年未満と定めた場合および期間を定めなかった場合は「30年」になります。

2.は不適切。借地契約の更新方法には「合意更新」「請求更新」「法定更新」の3つがありますが、「請求更新」と「法定更新」については(更新時に)借地上に建物がないと更新したものとはみなされません

本問は、問題文の「借地権者が借地権設定者に契約の更新を請求した」から「請求更新」に該当することが分かるので、借地上に建物がない場合は、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとはみなされません。

3.は不適切。借地借家法第13条において、「借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。」と定められています。

よって、普通借地権の存続期間が満了した場合は買取請求権を行使することができますが、本肢のように借地権者の債務不履行により普通借地権の設定契約が解除された場合は、買取請求権を行使することはできません。

  • 存続期間が満了&更新なし:買取請求権を行使できる
  • 借地権者の債務不履行により契約解除:買取請求権を行使できない

4.は不適切。借地権者は、普通借地権について登記がされていない場合において、当該土地上に借地権者の名義で登記がされている建物が滅失したときは、滅失後2年以内にその旨を当該土地上の見やすい場所に掲示すれば、当該借地権を第三者に対抗することができます。

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